ただのフィギュアスケートファンのロシア語翻訳

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Московский фигуристのサムソノフくんのインタビュー

≪Московский фигурист(モスクワのフィギュアスケーター)≫でサムソノフんが昌磨くんのことを話してくれてましたね😊

昌磨くん関連の所はいっぱい訳して下さってる方がいるので要らないかな~と思いますが、インタビューでは他にも色々話してくれていたのでせっかくなので訳しておきます。

ffkm.ru

http://ffkm.ru/images/mf/Figurist_2_2019.pdf

サムソノフくん


私たちの目に映る希望

ダニイル・サムソノフ:≪フィギュアスケートの歴史に残りたい≫

 

- ダニイル、ロシア選手権で優勝した後、君の名声に飛びついてきたものにどう対処している?ファンたちが今君の勝利を待ち望んでいることをどう思う?プレッシャーにならない?

- いいえ。それはむしろモチベーションになります。期待して下さっているファンのみなさんをがっかりさせないように、僕はいつもトレーニングでベストを尽くすようにしています。彼らの期待でいらいらしてしまうことはなく、期待のおかげで練習に駆り立てられているだけです。ロシアが男子シングルで勝つことをみんなが待ち望んでいるので、僕や他の男子たち全員にそういう注目が集まることはわかっています。この関心は、僕たちがまた世界のエリートに戻ることができるのではないかという期待と結び付いています。

- 世間の人たちは時として自分たちの愛の境界がわからなくなるし、マスコミはいつもセンセーショナルなネタを探している。君の人生が色々な知らない人たちの間でゴシップの対象になってしまうということへの心の準備はできている?

- 僕は家族が僕を支えてくれると思っています。コーチたちはファンのみなさんやジャーナリストのみなさんとの関わり方で僕がどう対処すればいいかをアドバイスしてくれていますし、こういったことから起こる何らかの問題を切り抜ける方法を教えてくれています。マスコミに関しては、僕が話していない"僕の"言葉がニュースのタイトルになっていたということが既に選手権の後にありました。だからこの点について僕は既に全てわかっています。この先こういうことは起こらないだろうという無邪気な考えは持っていません。

- 君は子供時代に全ての4回転ジャンプを身に付けたスケーターたちの世代に属しているという自覚はある?

- 僕はそのことについては考えていませんが、おそらくあなたは正しいです。僕たちのグループには、イゴール・ルヒン、ゴーシャ・クニツァといった既に4回転を跳んでいる男の子たちがいます。

- もし4回転ジャンプが特別変わったものではなくなったら、君たちの世代では勝つには何が必要だと思う?

- 質だと思います。難しい入り方や出方、点数に10%追加するためにいくつかの4回転をプログラムの後半に入れるでしょう。おそらく誰かは4回転ジャンプのコンビネーションをいくつか跳ぶリスクを冒すでしょう。僕はこれは実際にあると思っています。

- 新シーズンは構成を変える?何か難しいものを追加する?それとも同じ構成にして質を高める練習だけする?

- シーズンを通して僕は全ての4回転ジャンプを学びました。今後使えるようにそれらを身に付けました。ショートプログラムはジュニアでは既定のソロジャンプがあり、毎シーズン変わります。今年はフリップの代わりにループになります。ループは3回転です。ジュニアではショートに4回転は跳べないので。でも、トリプルアクセルとルッツ-トウループのコンビネーションは跳びます。当然、ジャッジから加点をもらうために、至る所に難しい入り方や出方が入っています。フリープログラムでは僕たちは2つの4回転ジャンプを入れ、それに加えて3回転ジャンプのコンビネーションをいくつかプログラム後半に入れるつもりです。

- スピンは何か改良する?

- スピンは全てレベル4を取れているので質を高める練習をします。今シーズン、ジュニアではショートプログラムにフライングシットスピンを入れるように発表されています。僕たちはそれを去年と比べてほんの少し難しくしました。エテリ・ゲオルギエヴナは僕がやったポジションはカウントされるかどうかの境目にあるとおっしゃっていました。僕たちはきちんとカウントされるポジションにしました。そしてシットスピンの体勢になる着氷時のポジションがより難しいとわかりました。

- もし、力、スピード、スタミナ、柔軟性などといった特性の練習について話すとしたら、今は主に何の練習に取り組んでる?

- それはいつも一緒にやっています。トレーニングやウォーミングアップの時、いくつかのアプローチの連続で課題をこなすことでスタミナをつけています。スピードアップの練習にも取り組んでいます。いくつかは一般的な身体トレーニングか氷の上で行い、いくつかは振り付けの時だけ行っています。

- 私は君が4回転ジャンプを跳ぶ時にそれほど十分な準備姿勢を取っているわけではないのに全て回転しきっていることに気が付いたんだけど、もし4回転をそんなにリラックスして跳べるなら君にはまだ余裕があるということかな?コーチたちは何て言ってる?

- 実際、コーチたちはそのことについて練習の時毎回僕に注意をします。僕たちはその練習をしています。僕は身体トレーニングで練習し、それぞれのジャンプをコントロールしていますが、今の所そうなっています。ジャンプの回転が足りているのは、子供の頃からジャンプの高さがあったり回転が良いからだと思います。

- 新シーズンはどんなプログラムを見せてくれる?

- ショートプログラムの"Rain, In Your Black Eyes"は変えないことにしました。観客のみなさんに気に入ってもらえたようですし、ジャッジの評価もとても高かったからです。衣装は実際は少し作り直されています。少し成長したので。今の所そんなに早く大きくなってはいませんが、一年に2、3センチくらい伸びています。フリーについてはジョシュ・グローバンの"Per te"にする予定です。

- 私は昨シーズンのフリープログラムの選択に驚いたのよ。ガーシュウィンの"ラプソディー・イン・ブルー"は、私の意見では大人の物語だから。あの曲で滑るのは難しかった?

- コーチたちが僕にあの曲をどう演じなければならないかを説明してくれました。僕たちは、僕の動き、性格、イメージ、全てについて話し合いました。主な課題は動きを大きく、強く、自信に満ちた、堂々としたものにすることでした。

- プログラムを演じているとき何により集中している?イメージ?それとも技術的な要素?

- 正確には答えられません。要素をしないといけない時はそれに集中します。全て上手くいくように巧みに要素に入らなければなりません。美しく。音楽的なアクセントのようなものとか繋ぎやステップを行っている時は、振り付けやイメージがより大事になります。もちろん、ジャンプを全部跳んでしまった後は、プログラムや感情に全ての力を向けることができます。足が勝手に動いて滑るというような自由と力が感じられます。そして、試合で滑るか練習で滑るかは重要ではなく、どんな時でも集中し、全てを明確に行わなければなりません。

- ダニイル、私たちが最初に話した期待に応えるためにはどんなことをより練習しなければならないと君自身は思っている?

- 僕は自分の感情をより鮮明に表現することを学ばなければなりません。昨シーズンとその前のシーズンは、全力で情熱を表現しなければならないプログラムで、コーチたちはそのことをずっと僕に話していましたが、僕はとても恥ずかしかったんです。感情表現の他には、あらゆる要素でできるだけ多く加点をもらうことです。もしみんなが4回転を跳ぶようになったらもっと難しいことをやったり何か変わったことをしなければなりません。

- 今日は宇野昌磨選手と一緒の最初の練習だったみたいだけど、同じ氷の上で彼と会った印象はどうだった?

- とてもモチベーションが上がりました。率直に言って日本の神です。特にスケーティングの。彼の足に乗る低い姿勢と膝の動きが目に留まり、記憶に残っています。柔らかく猫のようなスケーティングととても速いスピード。そして休みなく滑っている。昌磨を見るのはとても面白かったし彼の後を追ってまねするのも面白かったです。彼のように滑りたいです。

 

宝くじ券

- トゥトベリーゼのところに移ってから君の人生はどんな風に変わった?

- 宝くじに当たったみたいな感じです。

- なんで彼女は君を自分のグループに入れたと思う?

- コーチは僕の練習したい気持ちがわかり、僕に将来性を感じてくれたんじゃないかと思います。最初の数週間はテスト期間で、僕は最大限全力を尽くしました。エテリ・ゲオルギエヴナは、彼女のグループのみんなが練習しているのと同じように僕も練習できるとわかったんだと思います。

- グループではどんな風に練習してるの?

- ノンストップです。みんながあちこちで疾走しています。中途半端にやる人はいません。みんな結果を求めています。

- エテリ・トゥトベリーゼのところにテストに行くと知った日は心配だった?

- 小さかったのでわかりません。僕たちは大ノヴゴロドからノービスのロシア選手権にやって来ました。朝の電車に乗ってきてその日は練習はありませんでした。僕は一日中休んで宿題をしていました。夜になって寝る前にお母さんが明日テストに行くと言いました。僕は、明日はただの練習で、自分ができることを全て見せないといけないと思いながらいつも通り寝ました。

- どうしてできなかったことまで上手くできたの?

- ダニイル・マルコヴィチ(グレイヘンガウス)が≪私たちのグループでは2回転ジャンプは跳ばないよ≫と言った時、僕はそれが本当のことで、3回転を跳ばなければならないということを理解しました。僕はそれまで3回転ジャンプはサルコウしか試したことがありませんでした。サルコウが一番簡単で、フリップは一度も跳んだことがなかったので少し怖かったです。一番最初から転んでしまいましたが、できると思いました。それでやったらできました。

- でもどうして跳んでいたサルコウではなくてフリップを選んだの?

- 僕はトウ系の2回転ジャンプを一番練習していてトウを突くのが上手くできていたのでフリップにしようと決めました。

- コーチたちの反応はどうだった?

- 何の反応もありませんでした。みんなそのまま滑り続けていました。ただ、トレーニング中に僕を助けてくれたり、いくつかの間違いを直してくれるようになりました。

- ダニイル、君たちのグループはどうしてあんな驚くべき結果を出せるの?もしかして何か秘密がある?

- みんながその秘密について質問します。秘密はあります。それはエテリ・ゲオルギエヴナです。彼女自身がとてもたくさん働いていて、いつもスケート靴を履いています。僕がグループに来た時、その時までやっていた練習の何倍もの練習を始めました。誰も強制はせず、ただ自分でなぜここにいるのかを理解するんです。僕とアンナ・シェルバコワはグループで一番小さかったですが、とにかく全力で練習しました。これはとても正しいことだと思いますし、もし誰かが本当に結果を出したいと思っていてそのために練習する準備ができているなら、コーチたちはそれを達成するのを助けてくれます。修正してくれたり、クリーンにしてくれたり、加えてくれたり、改良してくれたり、飾ってくれたりします。

- スター病は君の意見では何だと思う?これは致命的なことだと言われているけど。

- たぶん、それは何か若い年齢のための特別なプログラムの試合で勝った時に、自分は全ての人より優れたチャンピオンだと感じ、自分が一番かっこよくて自分に並ぶものはいないと思い始めてしまうことです。スター病にかかる傾向がある人ならそれは早いうちにわかるんじゃないかと思います。全ての人の性格が違いますから。

- 君はそういう風に感じたことがある?称賛や喜びに対してどんな態度を取る?

- 褒められたらうれしいですが、それにこだわることはありません。自分が全て正しくやったということを理解するために称賛は必要です。大事なのは、自分が喜ばれることを待たないことです。ロシア選手権と同じです。勝ってそしてまた勝つ。そういうことはありません。僕はスター病に何か処方箋があるのかどうか知りませんけど。

- 君たちのグループにこの病にかかる人はいる?

- 気付いたことはありません。みんな毎日たくさん練習していてスター病にかかっている時間はありません。

- 君は自分で何かやることを許したり禁止したり強制したりする?それともそれは誰か他の人がしないとだめ?

- 基本的に、一日のルーティーンは自分で管理し、練習での課題は自分で決めています。誰も自分に厳しく言ってくることはありません。

- 質問に答えてくれたことだけど、それは全て何のためにする必要があるの?

- 好きなことで成功したいんです。もしフィギュアスケートが好きじゃなかったら、とても続けることはできなかったでしょうし、おそらく何も特別な結果を残すことはできなかったと思います。フィギュアスケートの歴史に残りたいんです。僕がすることを気に入ってくれるファンができたら嬉しいです。成功は将来の人生の良いスタートになるということもわかっています。僕には、いつか賞金で僕の家族が住宅事情を改善することができるんじゃないかという夢があります。僕たちはもう20年以上も住宅待機の列に並んでいるので。(無料住宅は優先度順に割り当てられるらしいです。)

- 家族は多いの?

- 両親とお姉ちゃんのリーザと弟のワーニャです。リーザは今年高校を卒業して大学に入り、コマーシャルスペシャリストの勉強をしたがっています。ワーニャもスポーツをしていて≪サンボ70≫にいますが、テコンドーだけやっています。あと、ステファンという愛称のポメラニアンを飼っています。

- 家族と過ごす時間はある?暇な時間は残ってる?

- 僕と弟とお父さんはサッカーかホッケーを見るのが好きです。お父さんは元サッカー選手なので、僕は思い出せる限りいつもサッカーを見ています。あと僕はパズルをするのが好きです。特に大きいものが。新年に2つ箱をもらったんですが、一つは5,000ピースのパズルです。でもまだ半分しかできていません。

- 家にはパズル用の特別なテーブルがあるの?

- はい。完成したらパズル用のフレームを注文して壁に絵みたいに掛けています。僕の部屋には自分のメダルが掛けられるオリンピックシンボルがついているものがあります。

 

楽観主義とは

- とても疲れた時に君を生き返らせてくれる誰かがいたり、そういう物があったりする?

- 普通そういうことが起こるのはシーズンの終わりだけです。もし試合や授業やスケートで精神的にも肉体的にも疲れを感じたら、僕を支えてくれる友達たちと過ごすととても助けられます。

- リンクにいる友達?

- いいえ。リンクにも友達はいますが、彼らとはもっと≪プロフェッショナル≫なことを話します。助けてくれる友達はフィギュアスケートの世界の人ではありません。彼らとは世間話をすることが多いし、彼らのことはとても大切です。

- 君は落ち着いてる?それとも感情的?

- 落ち着いていると思います。理性的で穏やかでいられるようにしていて、感情ではなく頭で考えて生活するようにしています。感情を表に出して攻撃的になることは好きではありません。

- 気持ちを隠す方?それとも表に出す方?

- たぶん表に出す方です。なぜなら顔を見られると僕が内心どんな気持ちなのかいつもわかってしまうので。僕は誰も何も見破れない仮面みたいなものは付けていません。

- よく反省する?

- もちろん。もし何か上手くいかないなら原因は自分にあります。つまり、どこかで自分の考えが足りなかったり自分の練習が足りなかったりしているんです。

- もし何かの問題や課題が解決しなかったらどうする?

- もし何かのジャンプが上手くできない時は、頭を切り替えるために他の要素の練習に移ります。でも後でまたやります。

- もしジャンプじゃなくて何か人生で上手くいかない時は?

- たぶん同じようにすると思います。いつも最後まで力を振り絞るようにしています。頭を壁に打ちつけたりせず、上手くいく方法を探します。自分の間違いに冷静な頭で向き合います。

- 楽観的?それとも悲観的?

- とても楽観的です。楽観的でいれば喜びが理解できます。


この後のページからはサムソノフくんのお母さんのお話が載っていますね。長かったので今回はとりあえずインタビューだけ。

しかしあちらでは日本のインタビューではまず聞かないだろうってことをガンガン質問しますよね😓

こういう子が昌磨くんのファンだというのはなんだかわかるなーと思いながら読んでました。この子がシニアに上がる頃にはインタビューの通り4回転が今の3回転みたいな普通のジャンプになってるんですかねぇ…。とりあえず、そのうち日本に来てくれたら何かすごいパズルをあげようかな😊