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アリエフ:クールな男として記憶に残れたら

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スケーター、ドミトリー・アリエフ:≪クールな男として記憶に残れたら≫

メドベージェワ、ザギトワ、コストルナヤ、トゥルソワ、シェルバコワ、ここ数年私たちは女子のスケートについてだけ話してきました。しかし≪男子の話≫をする時が来ました。

≪ヴェチェールニー・ウルガント≫、≪プースチ・ガヴァリャット≫、ヨーロッパ選手権から帰ってきた後、国内トップのテレビ番組で20歳のドミトリー・アリエフなしで済ませた番組は一つもありませんでした。そしてこれは驚くことではありません。プルシェンコの時代以来、そして彼が2012年のシェフィールドで優勝して以来、ロシアのスケーターは男子シングルで旧世界の≪金≫を取ることができていませんでした。ヨーロッパでは7年間、スペイン人のハビエル・フェルナンデスが独占的に支配していましたが、彼の引退後でさえアリエフが表彰台の空席を手に入れるという予想に踏み切った人はほとんどいませんでした。

スケーターより先に詩人になった

イネッサ・ラスカーゾワ、≪АиФ(論拠と事実)≫:ドミトリー、ヨーロッパ選手権優勝後にあなたに降りかかった称賛をどのように体験していますか?楽しいですか?それとも隠れたり逃げ出したり以前のように≪ただのスケーター≫でいたいですか?

ドミトリー・アリエフ:本当に、全てが楽しくて面白いですよ。ついに僕にこんなことが初めて起きたんです!僕たちみんながテレビでこれらの番組を見ていますが、今僕は俳優たちの間で出演者の一人になりました。でも同時にあなたは正しいです。とても休みたかったですし休みたいです。僕に起こっているこれらの驚くべき出来事のおかげで頭の中は沸騰し続けています。

- あなた自身がおっしゃったような頭の中が沸騰した状態だと、今は慣れた毎日のルーティーンにまた戻すことは大変ですか?

- 実を言うと、一日だけちょっとトレーニングをして、すぐにまたイリヤ・アベルブフのショーに出発しました。でも僕はこれが仕事、大変な仕事だとは思っていません。ショーは正真正銘の喜びであり、何の義務もありません。まず第一に結果ではなく美しさについて考えながら自分のために滑るものです。それに環境が変わることはとても新鮮で、充電し直すことができ、一種の休息とも言えるんじゃないでしょうか。

- ヨーロッパ選手権のときグラーツであなたは突然自分の詩を詠みましたね…。多幸感の影響ですか?

- はい、きっと。頼まれてオーストリアで書いた詩を詠みました。

- でもフィギュアスケートについてではなく愛についての詩でしたね。

- 過去のことについての詩です。ただ突然思い出して、とても長い間自分の中に抱えていたこと全てが紙の上に流れ出しました。

- もし突然詩集の出版や詩の会の開催を提案されたらどうされますか?

- ≪やらない≫と答えます。氷上でのパフォーマンスは全ての人に向けてやっていますが、詩は個人的なものです。

- 詩人とスケーター、先になったのはどちらですか?

- 詩人です。最初の詩は8歳の時に書きました。それか9歳…。うん、だいたいそれくらいの頃です。

- フィギュアスケートの中に詩を見つけることができますか?それとも≪氷上の詩≫は全て観客のもので、あなたの担当は多くの大変な下準備なんでしょうか?

- そんなことはないですよ。もちろん見つけられます。プログラムの振り付けが、もし創作物でも、ある何かの作品でもなかったら何なんでしょうか?!詩もひとりでにできるわけではなく、自分の考えや感情や経験から誰かが作り出しています。フィギュアスケートと詩にはたくさん似ていることがあります。もし僕がトレーニングも含めて氷上でやっていることをただの仕事だと思っていたら、何も面白いことはないでしょう。そして観客のみなさんの印象はしかるべきものになるでしょう。僕はこう考えています。コーチと振付師と僕で作品を作っていて、それは感銘を与えるものでなければならない…。そうでないなら、これら全てのことは何のためにしているんでしょうか?

- それでもやはり、何か無理にしなければならなくなる時というのはありますか?どういうことで自分を殺さなければならなくなりますか?

- 朝起きるのが大変です…。とばさないで…ジョークです!もし本当に自分を殺さなければならないなら良く考える必要があると思います。自分に合った仕事をやっているのか?きっとそれは単に向いていないので職業を変えた方が良いです。

- 今シーズンのあなたの変貌は専門家にとっても謎です。特にアレクセイ・ミーシンは、あなたを見て、昨年多くのコーチたちががっかりして≪彼はまったく全部だめだ≫と話していたことを認めました。なぜだめだったんですか?いったい何が変わったんでしょうか?

- あまり自分の失敗は思い出したくないんですが、僕が大変な危機にあったことは認めなければなりません。そしてある時自分に正直な質問をしました。≪降伏か戦いか?どっちがいいんだ?≫もし戦いたいなら、実際にどうにかして自分を引っぱり出す行動を始める必要があります。僕自身の中、頭の中の何かが変わりました。そして僕は探し求めていた道、探し求めていた進路を見つけました。

≪窒息させられているような感じだった≫ 

- あなたはただ決意して、直感があなたをその先に導いたんですか?

- そんなに簡単だったらどんなにいいか!僕はすごく考えて、親しい人たちと話して、相談して、出口を探していました。今僕にはこれは僕にとってとても大事な危機だった、これは、成長し、新たに自分を作り、何か新しい現実に突入するために必要な危機だったと思えます。僕はこの経験をして、そして息ができるようになったんです!それまではまるで窒息させられているような感じでしたから。

- ハビエル・フェルナンデスが引退した後に≪金≫が獲れたことに後味の悪さはありませんか?もし彼自身から勝利を奪うことができたら…

- まさかそんなこと言えません!≪金≫は≪金≫です。人生はひとつの場所に止まっていません。全てが変化していて、誰も永遠に滑っていることはできません。ハビエルは偉大なスケーターでしたが、時が来たので彼は去りました。そしてもし、少なくとも今、僕が彼の代わりにならなかったとしたら、別の誰かがなっていたでしょう。だから僕はうまくいって本当に幸せです!僕は≪もしこうだったら…≫という推論をしたいとはちっとも思っていません。

- あなたは自分の優勝者インタビューの時に3人のスケーターをレジェンドと呼びました。フェルナンデス、羽生、そしてチェン。フェルナンデスは引退しましたが、日本人の羽生とアメリカ人のチェンとは3月の世界選手権で戦わなければなりません。詩人のあなたには別の言い方を考えた方がいいのかもしれませんが?なぜならレジェンドに勝つことは心理的に難しいですが、生きている人間に勝つことはまったく…

- それでも彼らはレジェンドです!誰も僕をひっくり返せませんよ!彼らはフィギュアスケート界にとても多くの新しいことをもたらしました。ただ考えて、2010年と2020年を比較してみてください。この10年の間にどれだけ多くのことが起こったでしょう!みんな2本、3本の4回転を跳ぶようになりました。これは本当に信じられないことです!

- 彼らは言うまでもなく≪進歩≫の牽引者として記憶に残るでしょう。あなたはどういう人として記憶に残りたいですか?

- 僕はクールな男として記憶に残れたらいいな。人々が僕を思い出して微笑むような。良い気分と笑顔を与えられる人として記憶に残りたいです。


この後アリエフ君がヨーロッパ選手権の時に書いた詩が書いてありますが、訳すセンスがないのでやめておきます😓

アリエフ君ワールドでも良い演技を!😊