ただのフィギュアスケートファンのロシア語翻訳

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クズネツォフさんのスケート靴の話3

のつづきです。


≪金属塵の匂いは大嫌い≫

- 12月に行われたロシア選手権の時、エフゲニア・メドベージェワが、ショートプログラムの前日に靴が壊れたにもかかわらず、試合を最後までやり遂げることができたのかについての話はあなたに関係があると思います。このことに関してどう思われますか?

- ジェーニャは壊れた靴で滑ることもできたでしょう。彼女は実際にショートプログラムで滑りました。しかし、不意に、とても急に、用具に何らかの出来事が起こると…。おそらく、ミハエル・シューマッハは、もし残っているのが後半周なら、故障したフェラーリに乗ってフィニッシュすることができるでしょう。しかし、残っているのが30周や60周だったら、彼は全て徒労に終わると理解し、ただ途中でレースを放棄することでしょう。

メドベちゃん

- 別の言い方をすると、メドベージェワがフリープログラムを棄権したのは正しかったということでしょうか?

- 難しい要素のレベルでは、どんな用具の問題でも、小さな問題でさえ、時々全く悪い結果の原因になるということです。もし、架空のマリア・ラシツケネが2メートルの高さのバーに挑むなら、彼女は全てのスパイクが問題ないことを確信していなければなりません。選手の頭に疑問が生じるや否や、運動行為の全ての動きが乱れます。

ジェーニャは素晴らしい分析能力を持った鉄のように強靭な性格の経験豊かな人です。もちろん、彼女はフリーの演技のために準備し、どうにか全ての予定ジャンプ要素をやることはできました。≪-1≫や≪-2≫が付いただろうあまり出来の良くないS字の着氷で。そして6位か7位になったことでしょう。それが彼女に必要でしょうか?ロシア選手権の女子シングルは、不完全に滑ることはできないのです。

- 試合では、ISUのテクニカルスペシャリストとしてのあなたにいつもお会いしています。かつてあなたが学位論文の公開審査にパスし、学位を受けたことを知っています。おそらくコーチの仕事だけではなく、教師の仕事でもかなり成功することができたのではないかと思います。しかし代わりにスケート靴を研ぐことを選ばれました。なぜですか?

- 家族に二人コーチがいる時、1989年間近の頃は、どちらか一人はお金を稼がなければなりません。私は地方のフィギュアスケート青少年スポーツ学校の校長でした。校長の給与の他に、半分の給料でコーチの仕事をして稼いでいました。それに加えて、学位、コーチのカテゴリー、スポーツマスターの称号に対する手当。しかし、残念ながらもう亡くなっていますが、私の友人が私にバッジ製作協同組合で工具職人として働いてみないかと勧めてくれた時、私は10倍多く稼ぎ始めました。

私の妻はその時、この不相応さのために泣いていました。母も、フィギュアスケートをやめ、彼女が62年間働いていた≪パリジスカヤ・コムーナ(パリ・コミューン)≫の工場に技師として来るように説得しようとしていました。しかし、私は家ですぐにこう言いました。私はフィギュアスケートが好きで、やりたいことをするつもりだと。実は、私は人生ずっとまさにやりたいことをやってきました。そして、それで大きな喜びを得ています。スケート靴の厄介事も含めて。本当のことを言うと、金属塵の匂いは大嫌いなんですが…。