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ELLEのシェルバコワちゃん独占インタビュー

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ELLE独占:スケーター、アンナ・シェルバコワ - 夢、恐れ、克服について

最も有望なロシア選手の一人へのロングインタビュー

 

ドーピングスキャンダルのため、ロシア代表チームは計画を大きく修正することになりました。4年間の国際大会出場禁止は、何人もの選手のキャリアを台無しにするかもしれません。しかしすぐあとに、コロナウイルスの世界的な流行までもが、主要大会へのトレーニングと準備の計画に干渉してきました。選手たちはこの大変な時期をどう過ごしているのでしょうか?たとえば、ロシアのフィギュアスケーター、アンナ・シェルバコワは、1月にヨーロッパ選手権で銀メダルを獲得し、10月にはラスベガスで行われたグランプリシリーズのスケートアメリカでレコード記録を出しました。そして、他の多くの勝利を勝ち取り、シングルスケートでの有力なメダル候補でした。彼女は2年前に負った重い足の怪我から復帰しました。そして最も難しいルッツやフリップを跳ぶ準備ができていましたが、今は待たなければならなくなりました。ELLEは、彼女の夢、恐れ、スポーツへの姿勢、自信の秘密についてアーニャと話しました。

フィギュアスケートを始めたきっかけは?

アンナ・シェルバコワ:3歳半の時、姉に続いてリンクに連れていかれました。初めてリンクに行った時大好きになりました。そして、氷、スピード、滑ることから感じたこの喜びは、今も私と一緒にあります。強制されたり、≪トレーニングに行きなさい≫と、言われたりしたことは一度もありません。心の中にはいつも新しいことへの興味がありました。

子供の頃、何か怖いことはなかった?トレーニングはゴーリキー公園にスケートしに行くのと同じではないよね。

ありませんでした。唯一リンクで怖かったのは整氷車です。整氷車が来たらすぐにリンクから逃げ出していました(笑)

リンクでジャンプを跳び始めたのはいつ?

ジャンプはいつも好きでした。新しい要素を試すのは面白いです。何かのジャンプを跳ぶのが怖かったことはありません。もちろん、ごく短い時間≪急に≫怖くなることはありますが、その後ジャンプに入れば落ち着きます。自分の動きのことを考えて全てのことを忘れます。

あなたの人生でスケートが何かとても大事なものになったということがわかった瞬間のことを覚えてる?

自覚したのは9歳の時、エテリ・ゲオルギエヴナのグループに移籍した時です。より厳しいグループで、結果を求めている選手たちがトレーニングしていました。私は彼らを見て、どれだけ多くの練習が必要なのかがわかりました。そして、エテリ・ゲオルギエヴナは、ただトレーニングしているだけではなく、常に話をしてくれます。それで、私の練習態度は時間と共により自覚あるものになりました。彼女のグループで、私はトリプルジャンプを跳ぶようになり、その時これはもうただの趣味ではなく、今私はただ自分が好きなことをしに来ているのではないということを理解し始めました。今、私には練習で設定された課題があります。私はそれをやり、結果を出し、自分の目標を達成するために努力しなければなりません。

トレーニングプロセスは挑戦と失敗でできています。何か上手くいかない時、何を感じて行動しているのかを教えてくれる?

もちろん、何か上手くいかないならそれは辛いです。練習で上手くいかないということはみんなに起こりますが、感情ではなく、そのミスを修正するためにしなければならないことに焦点を当てることが大事です。私はいつもこう考えています。≪こういうことがもう起こらないように、明日は何をしなきゃいけない?何を修正する?いったいどこにミスがあったの?≫ でも、怪我をしてしまった時でさえ、私は一度も辞めたいとは思いませんでした。逆に、氷にもっと早く戻るために、全部をもっと早く直したいと思っていました。

怪我と復帰は、以前と今の自分の演技に対するあなたの見方にどんな影響を与えた?

軽傷はよくあり、それはプロフェッショナルなスポーツでは普通のことです。でも、足の骨折はとても大変だったので、練習にやって来て、端の方に座り、みんなが滑っているのを見ていました。リンクに行かず、家でただじっとしていることができなかったので。その時私は自分が練習なしでは生きていけないことがはっきりとわかりました。

怪我をした後、私は常に頭の中で巻き戻し、失敗したジャンプを再生し、進歩する代わりに多くの時間を失ったことを心配していました。もちろん、少し経ったら、自分のトレーニングを考え直し始めます。

復帰期間も大変です。なぜなら、≪氷に出たら、もう全部上手くいく≫と思っていても、その後、全て初めから、全て違うやり方でやり直さないといけないことがわかるからです。

試合では、トレーニングで何か見落としがあったんじゃないか、とか、みんなはトレーニングしていたけど私は違ったから今私はみんなより下手なんだ、という気持ちが出てきました。

私はそれでもやはり高いレベルに戻ったし、今私はみんなと同等に戦っているんだということを自分自身に証明するのにとても多くの時間がかかりました。今私はこの時が試合でより自信を持つのに役立っていると感じています。

主要大会に向けてどんな準備をしてる?

最大の秘密はただとても多くの練習をして自分の力に最大限の自信を感じることです。最大の自信は、毎回練習でやっていて、今はそれと同じことを出てやるんだということがわかった時に持てます。もし毎日練習で自信を持ってこの要素のセットを演じているなら、試合で力を出し切るのはより簡単です。でも、試合前に正しく調整することは大事です。私はウォーミングアップをし、コーチたちと話をし、気を紛らわせ、関係ないことが耳に入らないように音楽を聴きます。なぜなら試合はその時、既に行われているかもしれないからです。

どういう時、最高の気分になる?

試合で良いフリーの演技で終えられた時です。これは同時に、最大の喜び、誇り、そして安堵感を味わえます。精一杯やったとき、最後のポーズから立ち上がり、とても長い間練習してきたこと全てを見せることができたと感じます。これは、メダルを獲って表彰台の上に立つ時よりも、大きく感情が高まる時です。プログラムを終えたまさにその瞬間、一番心地よい疲れを感じ始めます。これがきっと幸せなんです。

アスリートにはスポーツとトレーニング以外の人生が全くないという固定観念があります。あなたは自由な時間は何をして過ごしてる?

自由時間のほとんどは、今はもちろん勉強しています。練習も勉強もなくて完全に自由なのは、週に1日の休日です。私は料理をしたり、あみぐるみを作ったりするのが好きですが、一番好きなのはペットたちと一緒に過ごすことです。好きなテレビドラマシリーズは≪シャーロック≫です。でも、映画ならコメディーを見るのが好きです。毎日の練習のことを忘れて、元気になるのを助けてくれます。時々音楽も聴きます。最近プレイリストに入れているのは、イマジン・ドラゴンズとシーアです。

あなたのファッションスタイルについて教えてくれる?

たぶんスポーティーです!やはり私たちは毎日トレーニングしていますから、スポーツウェアはいつもたくさん必要です。もし急に、グループの誰もまだ持っていない、着てトレーニングができるジャケットみたいなものが出てきたらとってもいいですね!(笑)インスタグラムを見たらわかると思いますが、私は普段スニーカーを履くのも好きです。今日はエアマックス2090を履いています。この靴は、私に空気そのものを思い出させます。薄い素材、変わった未来的なデザイン、そしてとても軽い。このモデルはまだ発売されていませんし、今日どんなスニーカーを履いているのかを話題にされるのはいつも嬉しいです。でも、公式なイベントでは、ドレスとヒールみたいなもっとエレガントな物を選びます。ヒールでは、まだ躓かないように歩く練習をしています。

いつも持っているお気に入りのマスコットみたいなものはある?

マスコットとは言えないかもしれませんが、ティッシュケースを持っています。日本でプレゼントしてもらった…

ティッシュケース?!

はい、練習でも試合でもどこでも持って行っています。最近私は日本の女の子と友達になりました。彼女は、色々なお土産や、彼女のお母さんが縫ってくれた私のプログラムのドレスを着たクマが入った小包を私に送ってくれます。そして、彼女は私の衣装とプログラムに合わせて私のティッシュケースの飾りも作ってくれます。それで、全ての試合で私はティッシュケースの耳にそれを付けています。

夢はある?

スポーツではとてもたくさんありますが、それはむしろ目標です。課題は練習ごとにあります。たとえば、十分に滑って、何かの要素をしばらく練習するとか。課題は一週間のこともあります。もっとグローバルな年間の目標もあります。もちろん、オリンピックに出場し、良い演技をするという夢もあります。

勝ちたい?

もちろん!どんな選手でも勝ちたがっています。オリンピックについては特別な試合だとみんなが言っていますから、とても出場したいです。

フィギュアスケートの他に何かグローバルな夢はある?それか何か大きな目標は?

まず第一に、良い教育を受け、人生の中に自分の場所を見つけないといけません。もっと先の将来には、家のないペットたちを助けることができるようになりたいです。この仕事をしている人たちをとても尊敬しています。

あなたが始めた頃と今では、フィギュアスケートは変わったと思う?特に女子。

もちろんそう思います。とても大きく変わりました。原則的に、どんなスポーツでも同じ場所に留まっていることはありません。フィギュアスケートは、全てがとても急激に変わっています。以前は良かったことも、今はもう十分ではありません。

そして今は、女子選手たちが4回転ジャンプを試合で見せるようになった転換期です。みんな自分の能力の限界で演技しています。何か新しい事を学ぶ必要があり、試合でそれを見せる努力をし、進歩して、もっと先に行く必要があります。