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昨シーズンの珍しいプログラムTOP5

sport24.ru


昨シーズンのフィギュアの珍しいプログラムTOP5:≪マトリックス≫、ヴィソツキー、フランスのエアロビクス

これらの振り付けは隔離中のあなたを少し喜ばせます。

フィギュアスケートの全プログラムのほぼ半分は同じメロディーで作られています。≪ムーラン・ルージュ≫、ショパン、≪カルメン≫、そしてハレルヤ。振付師のダニイル・グレイヘンガウスは、冗談でこれらの作品を、≪フィギュアスケート・ゴールデンファンド≫と呼んでいます。

しかし、スケーターたちやコーチたちはこれに飽きて、他のメロディーや解釈を思い起こすことがあります。

みんなが嬉しいことがわかります。選手たちは、快適な慣習的ゾーンから抜け出し、振付師たちは、またもや使い古された音楽で何か新しい振付を試すのではなく、胸いっぱいで息をし始め、観客たちは思いがけないメロディーの最初の音で画面に釘付けになり、スタイリッシュな衣装を見て動けなくなります。

Sport24は、みなさんのために、終了したシーズンの最も輝かしく際立ったプログラムの5つを集めました。

5位。ダニエル・サモーヒン(イスラエル) - ショートプログラム≪Fastidious Horses≫

イスラエルに行くことはできますし、イスラエルの旗のもとで出場することはできますし、ダニールの代わりにダニエルになることはできますが、それでもシーズンで最もロシア的なパフォーマンスを見せることはできます。そうするには、本物のロシアの歌を使い、言葉でアレンジをし、偉大なロシアのダンサーの動きを印象付けたプログラムの振り付けにする必要があるだけです。バリシニコフはバリシニコフですが、サモーヒンは、彼の父親がいつも聴いていたヴィソツキーで育ったと打ち明けました。現在、父親は彼のコーチです。フロイトはこれを投影と呼ぶでしょうが、私たちは控えめに世代の継承性についてお話します。

≪私の父は、私が小さかった頃、ヴィソツキーを聴いていました。プログラムの振り付けを決めたあと、モダンスタイルに移行するバレエ要素が含まれるように、父と私は、ミハイル・バリシニコフの映画≪ホワイトナイツ・白夜≫を見ました。これは大きなリスクですが、私はこの音楽(≪Fastidious Horses≫)がとても好きです。私はこのスポーツで何か新しいことをするのが好きなので、私たちはこのような力強い歌を選びました。≫

と、サモーヒンはフランスのグランプリシリーズ大会の自分の演技後に言いました。

残念ながら、結局クリーンな演技を見つけることはできませんでしたが、失敗したジャンプは、強いロシアのエネルギーの放出からサモーヒンを立ち止まらせていません。そして、私たちは外国のリンクで、お馴染みのかすれたロシアの声を聴くことができて嬉しいです。

4位。坂本花織(日本) - フリープログラム≪マトリックス≫

女子選手たちには今シーズン、珍しいプログラムが多くありました。女子フィギュアスケートは、無駄に人気のピークを迎えたわけではありませんでした。私たちが選んだプログラム候補には、紀平梨花の≪Breakfast in Baghdad≫も、アリーナ・ザギトワの≪クレオパトラ≫も、そしてもちろん、アレクサントラ・トゥルソワの≪ゲーム・オブ・スローンズ≫もありました。しかし、それでもやはり、全ての中で一番際立っていたのは、映画≪マトリックス≫の坂本花織のフリープログラムでした。

曲と暗示される振り付けだけではなく、合皮のはめ込みとマトリックスのバイナリコードの列を思い出させる模様の衣装は、フィギュアスケートには珍しいものです。(ジュベは?)花織のスケートはプログラムの情緒を際立たせます。彼女は愛についてではなく、システムと戦う人間の強さを表現しています。女子シングルで、ウルトラC要素が強制されている状況で、とても象徴的です。

3位。宇野昌磨(日本) - ショートプログラム≪Great Spirit≫

シーズンの初め、宇野昌磨はとても途方に暮れているように見えました。意識的にコーチなしで(そしてフリープログラムを≪ひとりで踊る≫の歌で作りました)、昨年のナンバー、激しくてメロディアスではないアーミン・ヴァン・ブーレンのGreat Spiritに、ジャンプをより多く入れて、ショートプログラムにしました。しかし、彼が呼び寄せた偉大な精神(←Great Spiritをロシア語で言ってます)は、それでもやはり慈悲を示して答えたようです。全日本選手権で勝つ力を与え、全力を尽くして演じられたこの信じられないプログラムに、どんなリターンがあるのかを見せました。

ちょっと待ってください、偉大な精神はステファン・ランビエールなんでしょうか?

2位。ダリヤ・パヴリュチェンコ/デニス・ホディキン(ロシア) - フリープログラム≪トロン:レガシー≫

ダリヤ・パヴリュチェンコとデニス・ホディキンは、自分たちのフリープログラムに、映画≪トロン:レガシー≫のサウンドトラックを使用しました。彼らが2010年代初めの映画から曲を選んだのは既に3回目です。これまでに、彼らは≪華麗なるギャツビー≫や、ショートプログラムでは≪クラウドアトラス≫を使い、ジュニアの世界チャンピオンになりました。ノスタルジックな傾向は続いています。他方から見れば、今回は、ダフト・パンクのトラックについての話ですが、この人たちは時間の外にいます。

しかし、問題は曲だけではありません。パヴリュチェンコ/ホディキンは、珍しいサポートとそのアプローチによる、コレオステップでのオリジナルな決定で際立っています。100回読むよりも1回見た方が良い、強く心を奪われる光景です。これこそ本格的に珍しいプログラムと呼ばれるものです。

1位。ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン(フランス)- リズムダンス≪フェーム≫

パパダキスとシゼロンが今年のフィンステップでやることに、多くの人が興味を持っていました。そして、4度の世界チャンピオンはファンの期待に応えました。吠えるような20代のスタイルのクラシックなクイックステップの代わりに、私たちはリズムエアロビクスとディスコのワイルドなミックス、パステルカラーの衣装(ガブリエラはほとんど全ての試合で変更しました)と、明らかに忘れられないパフォーマンスを得ました。

最初の演技から、人々は動揺し始めました。年明けだという人もいれば、戦慄した人もいました。シーズンで、このプログラムが特別に成功することはありませんでした。ツイズルでのミスと無敵状態の喪失を思い出すことができます。これには誰も無関心ではいられませんでした。