ただのフィギュアスケートファンのロシア語翻訳

フィギュアスケート関連のロシア語記事や動画の翻訳が中心のブログです。

タチアナ・ミーシナ:トゥクタミシェワは4回転トウループを跳ぶことを完全に正確にターゲットとしている

www.sportsdaily.ru


タチアナ・ミーシナ:トゥクタミシェワは4回転トウループを跳ぶことを完全に正確にターゲットとしている

ソチのロシアカップ第3戦前のロングインタビュー

アレクサンドル・マカロフ

 

10月23日、金曜日、ソチで≪ロシアカップ - ロステレコム≫第3戦が始まります。今シーズン初めて、エリザベータ・トゥクタミシェワ、ミハイル・コリャダ、ソフィア・サモドゥロワ、アナスタシア・グリャコワといった、アレクセイ・ミーシン、タチアナ・ミーシナのグループの主要スケーターたちが氷上に現れます。

≪Sports Daily≫のロングインタビューで、ロシアの名誉コーチ、タチアナ・ミーシナは色々なテーマについて話してくれました:

・トゥクタミシェワの肩のケガ

・トゥクタミシェワとコリャダの4回転、グリャコワとサモドゥロワのトリプルアクセル

・セメネンコの進歩

・トゥルソワとワリエワの対立

・モスクワのロシアカップ第2戦のジャッジ

・サンクトペテルブルク連盟の新会長

・世界選手権とヨーロッパ選手権のないロシア…

 

- ソチのロシアカップ前に、アレクセイ・ニコラエヴィチは、グループをノヴォゴルスクの合宿に連れて行きました。なぜサンクトペテルブルクに残らなかったんですか?

- 時には1週間合宿で過ごすのも悪くありません。長い隔離期間がありました。今は環境を変えることができます。それに、ノヴォゴルスクはとにかく本当に良い所です。みんなが同じ場所にいます。現在の(コロナウイルスの)状況では、ここも変わりありませんが、それでもやはり安全です。みんなが検査され、管理されています。そうなったのは良かったです。

- ご自分の女子生徒をすべて同じ大会にエントリーさせた理由は何でしょうか?アレクセイ・ニコラエヴィチがコロナウイルス期間中に余計な旅行をしないためですか?

- ロシアカップのエントリーのための決定が行われた時は少し緩和していましたが、今はまたコロナウイルスによる不安な状況が強まっています。そしてその時は単に日取りで論理的に決めました。第1戦までにはみんなあまり準備ができていませんでした。特にリーザ(トゥクタミシェワ)はもう少し後に始めたいと思っていました。ナースチャ(グリャコワ)は靴を変えました…。だからソチから始めることに決めたんです。

- 主な競争相手のうちの誰がどこに出場するのかは考えられなかったのでしょうか?例えば、ソチにはアーニャ・シェルバコワが出場しますが。

- 考えていません。今はどこにでも強い選手たちがいる状況です。もはや出場したら必ず勝てるという試合はありません。今はより良く準備し、自分の最大限を見せた人が勝ちます。

- リーザ・トゥクタミシェワの具合はどうですか?9月末にサンクトペテルブルクで行われたテストスケートで、彼女は病気のためフリープログラムを棄権したという情報がありましたが。

- 病気ではありません。あるトレーニングで、リーザは肩を負傷しました。ジャンプで転倒し、筋違いを起こしました。このちょっとしたケガのため、棄権しました。

- 今は彼女はどうですか?

- 全て順調ですよ。練習していて準備しています。演技する前に余計なことは言いたくないのですが、全て自分のペースでやっています。

- アンドレイ・ラズキンは、リーザの新プログラム、バレエ≪スパルタクス≫の曲と、作曲家、ブヒム・ユヌソフの≪ねじまき鳥クロニクル≫のための曲は、彼女のキャリアの中で最高のプログラムの1つだと言っていますが、あなたは2つのプログラムをどのように評価されていますか?

- これが最高だと、何かについて言えることはありません。リーザには以前にも良いプログラムがありました。例えば、その1つは、私たちが数シーズン変更しなかったフリーで、それほどそれを私たちは気に入っていました。(イサーク・アルベニスの≪アストゥリアス≫。 - ≪Sports Daily≫)。今リーザは良いショートプログラムを持っています。このプログラムはイタリア人の(アンナ)カッペリーニが作りました。リーザはほとんどいつもエネルギッシュで機敏で元気でしたが、このプログラムで彼女は精神的に開放されています。これは大人の美しいスケートです。2つのプログラムが対照的なのは良いことです。フリーはまだ孤立状態の頃にユーリ・スメカロフと一緒に作りました。もしリーザがこれらのプログラムを上手に滑ったら、本当に成功と言えるでしょう。多くの専門家たちがこれらのプログラムを気に入っています。例えば、アレクサンドル・クズネツォフ(ISUのテクニカルスペシャリスト。 - ≪Sports Daily≫)がやって来て、特にショートプログラムに注目していました。大事なのは、全ての感情や気分を台無しにしないように、全ての要素を行うことです。これらのプログラムは、最高になるまでもっと良くなることを期待しています(笑)。

- サーシャ・トゥルソワは、モスクワのロシアカップで初めてトリプルアクセルを跳び、数日後、練習で4回転ループを跳びました。カミーラ・ワリエワは、練習で両手を上げたトリプルアクセルを跳びました。女の子たちの進化に驚かれていますか?それとももう何をされても驚かれませんか?

- 相変わらず驚いていますよ(笑)。4回転ループはとても難しいジャンプです。本当に、こういうジャンプをプログラムの中で跳ぶのはより難しいことです。ワリエワについては、彼女は既にトリプルアクセルは跳んでいました。昨シーズンはケガのせいで跳んでいなかっただけです。左足にケガをしたら、トウループを跳ぶ時にはそれほど痛くなくても、アクセルを跳ぶ時にはかなり痛い、ということは良くあります。

- 今はこのジャンプを両手を上げて行っていますね。 

- はい。本当にユニークですね。彼女はとても立派です。

- 直接の競争相手たちがプログラムを難しくしていることを考えると、あなたの生徒さんたちも、何か新しいものを見せなければならなくなりますね。私たちはソチでリーザが何かのクワドを跳ぶところを見ることができますか?

- 言えません。合宿へ向かう前、リーザは4回転トウループを跳んでいましたが、クリーンな着氷はありませんでした。そういうジャンプをプログラムに入れるのは無謀です。ショートに1本、フリーに2本、きっちりトリプルアクセルを入れます。リーザはコンディションを整え続けていて、4回転を取り戻そうとしています。多くのことは身体的な準備次第です。長い休みがあったり、肩をケガしたり…。しかし、リーザは4回転トウループを跳ぶことを完全に正確にターゲットとしています。もしこの試合でなければ次の試合で。

- ちょうどライバルたちのプログラムがより難しくなっていることを考えると、決して後れを取ることはできませんね?

- もちろんです。後れを取ることはできません。さもないと、競争するのが難しくなります。

- ソーニャ・サモドゥロワとナースチャ・グリャコワが、ソチでトリプルアクセルを跳ぶということはありますか?

- ナースチャはずっとその練習をしています。出発前に上手なトライがありました。本当のところ、完全にクリーンに回っているジャンプはありませんでしたが、そういうジャンプは大きく点数を下げてしまいます。ソーニャも練習していますが、クリーンな着氷はありませんでした。

- つまり、彼女たちがトリプルアクセルを跳ぶかもしれないのはソチではなく、次の試合の可能性が高いということでしょうか?

- そう思います。長い休み明けの最初の公式大会では、より安定してできていることを自信を持ってする方が良いです。それが終わってから、先に進みます。

- サモドゥロワとグリャコワが4回転を跳ぶことはありますか?

- 彼女たちはまだです。

- モスクワのテストスケートの後、圧倒的にみんながミーシャ・コリャダの復帰を喜び、彼を褒め称えました。それから3週間経たない頃のサンクトペテルブルクのテストスケートでは、彼には転倒、抜け、ステップアウトがあり、アンドレイ・モザリョフに20点以上離されたことを私たちは知りました。コーチングスタッフはこの違いにどのような反応でしたか?

- まだ彼はプログラムに1本の4回転ジャンプ - トウループしか入れていないことを理解しなければなりません。練習では彼はサルコウもやっていますが、これら全てをプログラムに合わせることが必要です。サンクトペテルブルクのテストスケートには、彼はもちろん負けに行ったわけではありませんが、そうなってしまいました。一番悲しいのは抜けた時です。

- そもそも何が原因なんでしょうか?身体的コンディション?それとも心理的な問題ですか?

- おそらく彼にはまだ心理的な問題があります。抜けは定期的にあります。しかし、彼自身が全て良くわかっています。現在2本のトウループと2本のアクセルを練習しています。しかし、フリープログラムに少なくとも3本の4回転ジャンプを入れるためにはサルコウも必要です。

- モスクワのロシアカップのショートプログラムで1 位だったのに、結果的に4位に終わったジェーニャ・セメネンコには何が起こったのですか?

- トウループで転倒しました(笑)。もちろん緊張したのでしょうけど、全体的に準備はできていました。サンクトペテルブルクでは2本の別の種類の4回転と、2本のアクセルを入れてクリーンに滑りました。彼はモスクワの試合の前の練習では、基本的に1つもミスをしていなかったのですから。でも仕方がありません。私たちは悪いことにウエイトを置いていません。これはやはり彼のシニアで最初の試合でした。彼はおそらく(アレクサンドル)サマリンをリンク上の近くで初めて見たのでしょう。そして、評価もポジティブなものでした。ポジティブなことに、より注意を向けました。ジェーニャに競争力があることはわかりました。モスクワで勝った(アルチョム)コバリョフと、彼は以前試合をしていて勝っています。世界ジュニアのメダリスト、(ピョートル)グメンニク、彼にも確かなアドバンテージがありました。ジェーニャが彼らと対等に戦ったことは良い結果です。この先はもっと良くなりますよ。

- ソチには彼は出場しないのですか?

- しません。ノヴォゴルスクの合宿の後、サンクトペテルブルクに戻ります。彼の次の試合はカザンです。以前からそういう計画でした。

- グレープ・ルトフーリンには何を期待されていますか?

- ソチには彼は出場しません。彼には背中のケガがあり、元通りに回復しているところです。急激に成長しているので、問題がどこか遠くへ行かないように、元通りにしてあげる必要があります。彼には実力と才能があります。彼には時間をあげる必要があります。ノヴォゴルスクでは、彼はタチアナ・ニコラエヴナ・プロコフィエワと一緒にプログラムを滑り込んでいます。背中の問題があってもできることをやっています。練習を続けています。

- まだ彼がロシアカップを欠場するという話にはなっていないのですか?

- カザンまでには準備ができていることを願っています。シーズン全部休んでしまうのはとても良くありません。出場の可能性を探さなければなりません。

- ロシアカップの最初の2戦が行われた後、ジャッジに関して重大なスキャンダルがありました。ソチの試合の前に、これについての懸念はありますか?

- いいえ。私たちはジャッジに激高したことはありません。いつも選手が全てをやりきったかどうかについてをより考えています。偏見を持たれていると考えることは、より良い姿勢ではありません。それで、いったいどんなスキャンダルなんですか?

- 具体例を上げましょう。あなたはなぜこういうことが起こるのかおわかりですか?:モスクワの試合、セメネンコのフリープログラムでトリプルアクセルにミスがありました。モスクワのジャッジ、ロリータ・ラブンスカヤは≪-1≫を付けましたが、サンクトペテルブルク代表のポリーナ・ヤコブスは≪-5≫を付けました。なぜこんな差が生まれるのですか?

- もちろん、この差は私たち(サンクトペテルブルク)のジャッジの利益にはなりません。サンクトペテルブルクのジャッジは、単により低い点数を付けられることを少し恐れていたのかもしれません…。

- でも、彼は転倒していませんよ。

- はい。ジェーニャは着氷時にイーグルをやりました。

- しかし、ヤコブスは転倒したかのように≪-5≫を付けました。

- 私たちも少し驚きました…。でも、ヤコブスは、まるで個人的な敵意は何もないかのように、私たちやうちの生徒たちに良く接しているんです。サンクトペテルブルクのジャッジは、サンクトペテルブルクのスケーターたちを最大限公平に評価しなければならないと考えることができるかもしれません。しかし、あなたが正しく指摘されたように、ジェーニャは転倒していませんでした…。つまり、≪-5≫はもはや公平ではありませんね。

- しかも、ポリーナ・アンドレーエヴナは、セメネンコの全ての要素に対する点数を、他の6人のジャッジより低く付けています。

- 彼女に聞いてみないといけませんね。なぜそうなったのか。それに、ジェーニャは若い選手なので、おそらく、彼に対して誰かが既に偏見を持っているということを話す価値はないでしょう。よくあることです…。

- 別の状況ですが、カミーラ・ワリエワは、同じ大会のショートプログラムで、ジャッジのアレクセイ・ドヴォイニコフから、コンポジションとインタープリテーションで、2つの≪10.0≫をもらいました。エフゲニー・プルシェンコは、PCSで≪10.0≫を14歳の選手に与えてはいけないと断言しています。あなたはどう思われますか?

- 年齢が判断要素になるべきだとは思いません。14歳でも完全に全てを見せることができます。ワリエワは、女性らしい十分に大人の女の子です。誰がどんな風に成長しているのかによります。

- つまり、彼女の≪10.0≫は、正常ということですか?

- もちろんです。カミーラは本当に驚くべきショートプログラムを滑りました。この評価は当然です。9.8なのか、10.0なのかは、既にそれぞれのジャッジの個人的な見解です。彼らは完全に≪10.0≫を付ける権利を持っています。年齢に関わらず、特にそういう演技に対して。

- 現在、ロシアのフィギュアスケートで、エテリ・トゥトベリーゼとエフゲニー・プルシェンコのスクールの間に対立があることは、誰にも秘密ではありません。あなたは傍から見ていて、誰かの点数が上げられたり、誰かの点数が下げられたりしていると思われますか?

- まだ何らかの結論を出す必要はありません。彼らの生徒たちが対峙したのはたった1試合です。どういうわけか、モスクワのロシアカップの後、全てがあまりにも激しく燃え上がりました。女の子たちは2人共強いです。ワリエワも、トゥルソワも。連盟は起こっていることに対してより積極的に反応するべきです。ジャッジが罵声のようなもので威圧されるべきではありません。誰が誰と競争しようと、あらゆる点で正しい行動を取らなければなりません。おそらく連盟は、ジャッジが恐れることなく公正にジャッジできるように、何らかの措置を取るでしょう。シングルは常により信用されていました。議論が起こるのはたいていアイスダンスでした。以前はこんな感じでした:どのように滑ったかで評価される。

- きっとあなたは、既にソチの大会後のあなたの生徒たちに関することだけで、再びジャッジに関するテーマの話をすることをあまり望んでいらっしゃいませんね。

- もちろんです。点数ではなく、みんなのパフォーマンスに集中したいです。

- サンクトペテルブルクには、ナポレオン計画を立てている連盟の新会長がいます。セルゲイ・チョポゾフについてのあなたのご意見はどんなものですか?

- 彼は若いですが、野心を持った仲間です。自分の会長職の痕跡を残したがっているのは明らかです。今のところ私は全てとても気に入っています。彼がまだ、全ての瞬間を探求し、ほんの少し状況を究明しなければならないことは明らかです。でも彼はやりたがっています。ピーテルにはそういう積極的な人物が必要です。オレグ・アナトリエヴィチ・ニロフ(サンクトペテルブルクフィギュアスケート連盟の前会長。 - ≪Sports Daily≫)もピーテルのために多くの良いことを行いました。しかし、ピーテルは常にモスクワと戦わなければなりません。

- 先日ISUは、2023年の世界選手権とヨーロッパ選手権の開催国の名を挙げました。ロシアはその中に入っていませんでした。その代わりに、ここ10年で3度世界選手権を行っている日本の埼玉がありました。あなたにはこのことについての説明がおありですか?

- 説明するのは難しいですね。おそらく、フィギュアスケートでのロシアの優位性と関係があるのではないでしょうか?女子シングルとペアで、私たちは全てのメダルの主要な候補です。アイスダンスは良く進歩しました。男子にも進歩があります。それが偏見の理由でしょうか?ロシアで試合があれば、いつも高いレベルで行っています。大きな大会がないのは残念です。ラケルニクはなぜこうなったのか説明するべきです。

- 今それを言おうと思っていました。ちょうど、私たちは試合を開催できないのに、ISUの副会長はロシア人のアレクサンドル・ラケルニクだということを言いたかったんです。

- 彼はISUで強い立場にいますが、彼は尊敬されています。そして、彼の意見には耳を傾けなければなりません。そして、(ロシアフィギュアスケート連盟会長のアレクサンドル)ゴルシコフも、フィギュアスケート界で尊敬されるべき人物です。リーダーたちはしっかりしていますが、何かが足りていません。

- ロシアは2011年と2005年に世界選手権を開催しましたがその前は1903年です!しかし、埼玉は10年で3回開催する…。

- 同じ意見です。これは驚くべきことです。おそらく、サンクトペテルブルクの新会長はこの状況を変えることができるでしょう。


長くて途中で翻訳力尽きてましたが、なんとかソチの大会前に終わった!😊

そういえばロシアの世界選手権、あんまりないですね。2011年も日本の代わりにやってくれた大会だし。