ただのフィギュアスケートファンのロシア語翻訳

フィギュアスケート関連のロシア語記事や動画の翻訳が中心のブログです。

コリャダとミーシンはオリンピックに≪ホワイト・クロウ≫を選ばなかった。これが正しい決定である理由

nevasport.ru


コリャダとミーシンはオリンピックに≪ホワイト・クロウ≫を選ばなかった。これが正しい決定である理由

3度のロシアチャンピオン、ミハイル・コリャダは、2つの完全に新しいプログラムでオリンピックシーズンを迎えます。2020/21シーズンの終わりに、多くの人が彼とそのコーチのアレクセイ・ミーシンに、ダンサー、ルドルフ・ヌレエフをイメージしたフリープログラムの傑作≪ホワイト・クロウ≫を継続して欲しいとお願いしていましたが、彼らはこれを継続しないことにしました。

多くのフィギュアスケートファンたちがこのプログラムに惚れ込み、他の何物にも代え難い純粋な芸術だと呼びました。

ではなぜ≪ホワイト・クロウ≫をやめた事が、失敗ではなく本当に良い決定だと言えるのでしょうか?

良プログラムを2シーズン継続することは、シニアに移行する際のジュニア選手には助けになります。これはよくあることです:選手は全く違う試合のルールに、より簡単に移ることができますから、既に慣れているプログラムであれば、より良い演技をすることができますし、実験的なことを試す可能性も生まれます。では、プログラムが本当に良いものであるなら、継続しない理由は何でしょうか。

素敵なプログラムもお腹いっぱいになります。≪ホワイト・クロウ≫は最初の1音目から注目を集め、それが最後まで続きました。ヌレエフをイメージさせるミハイルの感情と情熱的な滑りが、プログラムで主な役割を演じています。しかし、1つのイメージでそういう高いハードルを維持することは、1シーズンでさえとても大変なことです。スケーターは単純に氷上で演じることに疲れてしまいます。

ストックホルムの世界選手権へ向けて、コリャダは衣装を新しくしました。そしてこれは彼自身がこのプログラムを大きな大会で喜んで滑るには、既にプログラムをどこかリフレッシュする必要があったという兆しだったのです。ストックホルムではほぼ理想的な滑りではありましたが、成功はしませんでした。

≪ホワイト・クロウ≫はオリンピックに相応しい本当の傑作になりました。しかし、2シーズンに渡り、多くの試合で滑り込まれたプログラムでは、ジャッジや観客に最初に演じた時のような感動を与えることはできなかったでしょう。

≪コリャダが昨シーズン滑ったフリープログラムの≪ヌレエフ≫をアレクセイ・ニコラエヴィチは変更しました。これは完全に彼の権利です。彼らが成功しますように。≫

と、≪ホワイト・クロウ≫の振付師、イリヤ・アベルブフは言いました。新鮮で全く新しいプログラムで滑るコリャダが、再び全ての人々の共感を得ることを願いましょう。彼にはその力があります。

 

文:アナスタシア・マトロソワ