ただのフィギュアスケートファンのロシア語翻訳

フィギュアスケート関連のロシア語記事や動画の翻訳が中心のブログです。

男子フィギュアのオリンピックメダルを夢見るのはやめよう。チャンスはない

sport24.ru


男子フィギュアのオリンピックメダルを夢見るのはやめよう。チャンスはない

現実的な見解。

 

コンスタンチン・レシク

2021年10月26日

 

男子シングルスケートは、来るオリンピックでロシアがメダルを獲得するチャンスが最も少ないフィギュア種目です。このことをスケートアメリカの前から私たちはよくわかっていました。

女子シングル、ペア、アイスダンスの金メダルについてであれば、私たちは十分確実な根拠に基づいて(可能性が高い、低いけどそれでもということを)考えることができますが、ネイサン・チェンや羽生結弦がいる男子シングルは、銅メダルを夢見るのが限界でした。時々、これらの夢は、ファンたちが早くもミハイル・コリャダやドミトリー・アリエフや他の誰かを北京の表彰台の3番目に乗せてしまうほど、十分現実味がありました。しかし、2月にもう一度がっかりしないように、今はそのことを忘れた方が良いです。

私たちはチェンと羽生を気にしないことに慣れていましたが、今年、彼らは他のスケーターたちを先に進ませています。結弦は世界選手権で3位、ネイサンは母国で行われたスケートアメリカで3位になりました。彼らにミスはありましたが、彼らだけの問題ではありません。パンデミック後の男子スケートのレベルは急激に上がっています。そして誰よりも早く進化しているのは、残念ながらロシア人ではありません。

アメリカ人のヴィンセント・ジョウはスケートアメリカで、2つのプログラムで7本(!)の4回転と3本のトリプルアクセルを跳んで勝ちました。つまり、彼のパフォーマンスは、まるごとウルトラCのエレメンツでできていたということです。そして彼は一度もミスせず、(少しの回転不足はありましたが)転倒もステップアウトもありませんでした。その上、ジョウは最高難度のクワドルッツをリンクに叩き込みます。一番得点が高く彼の得意とするジャンプです。ミハイル・コリャダはサンクトペテルブルクの大会でもっと高い点数を出したと言う人がいますが(そしてそれは正しいのですが)、それはアネクドート(面白い小話)に近いものです。そのパニン・コロメンキン・メモリアルでコリャダが2つのプログラムでクリーンに跳んだクワドは2本だけでしたから。(お忘れかもしれませんが、ジョウは7本です。)ミーシャはさらに1本は転倒し、2本はステップアウトでした。しかも、ミーシンの教え子が跳ぶ4回転は、最も点数が低いサルコウとトウループです。サンクトペテルブルクでは296点をもらいましたが、北京ではジャッジが違い、誰もボーナス点をくれないのが残念です。

オリンピック銀メダリストの宇野昌磨は、アメリカで復活の道を歩み始めたようです。チェンに勝ち、銀メダルを獲得しました。彼も2つのプログラムにフリップとループを含む7本の4回転を持っています。そして、フリープログラムの最後の要素に驚くべきトリプルアクセル+オイラー+トリプルフリップのコンビネーションもあります。ミスはありましたが、それでも彼はとても良い合計点を獲得しました。そして宇野の2つのプログラムもまるごとウルトラCのエレメンツでできています。

前回の世界選手権で予想外の銀メダルを獲得した鍵山優真は、2022年の北京オリンピックのテスト大会で自信を持って勝ちました。彼の武器庫には4回転サルコウ、トウループ、そしてループまであります。

構成点の神、アメリカ人のジェイソン・ブラウンは、このオリンピックサイクルで最も好成績のロシアのスケーターたち(コリャダとアリエフ)をフィンランドのチャレンジャーシリーズでクワド無しで片付けました。しかも、トリプルアクセルでの転倒までありました。スケーティングスキルの点数が実際に効果を発揮したケースです。

上記の4人(チェンと羽生を除外していることは覚えていらっしゃいますか?)は、ロシア男子の誰かよりもオリンピックメダルの最後の空席を争う戦いでずっと大きなチャンスを持っています。私たちはただ外国のスターたちがミスするのを待ち、ロシア人がミスしないことを願うしかありません。しかし、その他の選手のことも忘れてはいけません。イタリアの若いスター、マッテオ・リッツォとダニエル・グラッスル、エテリ・トゥトベリーゼグループにいるジョージアのモリス・クヴィテラシヴィリ、ホームで出場する中国の革新者、ボーヤン・ジン。ケヴィン・エイモズが復活する時間もあります。羽生やチェンと一緒にトップ3に入りそうな候補者が多すぎませんか?

ロシアのスケーターたちはどうでしょうか?スケートアメリカでのジョウくらいのクリーンな演技が観られるのは極めて稀なことであるにもかかわらず、ロシア代表のスケーターの中には4回転を3本より多くフリープログラムで跳んでいる選手がいません。今の構成に問題があったとしても、構成を強化するリスクを負う価値はあるのではないでしょうか?

最後に、これは現実的な見解を述べようとしているだけで、ヘイターの投稿ではないことを説明させてください。男子シングルでのオリンピックメダルはロシア代表にとってはまさに奇跡になりました。前もってそれについて夢見て考えるのは(まして、彼らに求めるのは)間違っています。ロシア男子の力を冷静に評価しなければなりません。

しかし、ポジティブな面もあります。今シーズンのトップシングルスケーター6人全員が2つの国(日本とアメリカ)の代表だということです。これはオリンピックの団体戦では、私たちは2つのプログラムで10点満点中8点は取れるということです。少なくとも、これは既に現実的なイベントの成り行きのように思えます。他の種目には、(種目ごとに10点もらえる)金メダル候補たちがいますし、この予測では、私たちに勝利の大きなチャンスが残っています。そして、ロシア男子の誰かはきっと北京のメダルを獲得するでしょう。個人のものではなくても。それに、メダルは最高級である可能性が高いです。


まだシーズン始まったばかりなのになかなか気の早いご意見ですが、今のロシア男子はこれくらいの期待のされ方の方が力が発揮できるような気も…?😊