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ランビエール:≪ロシアの学校が大好き≫

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≪ロシアの学校が大好き。≫ プルシェンコのライバルはフィギュアスケートでのロシアの覇権を乱さない

エカテリーナ・エフィモワ

2021年11月8日

 

ステファン・ランビエールは、彼が携わるスポーツが向かう方向に不満を持っています。彼は空中での回転数が最重要ではないと確信しています。

ここ数年間で、フィギュアスケートには信じられないくらいの技術的進歩が起こりました。全ての試合が4回転ジャンプ祭りと化し、より多くクワドを跳んだ選手が勝ちます。しかし、誰もがこのようなフィギュアスケートの進化の方向に満足しているわけではありません。有名なスイスのスケーター、ステファン・ランビエールは、≪championat≫の独占インタビューで、最近の傾向にがっかりしていると打ち明けました。世界チャンピオンで、オリンピックメダリストの彼は、ISUにフィギュアスケートの進化のベクトルを責任を持って選択するように訴え、ロシアの学校に感嘆しています。

 

≪今は全てが空中で4回まわることに集中していてがっかりしている≫

- ステファン、トリノはどうですか?あなたはここでグランプリファイナルで勝ち、オリンピックの銀メダルを獲得しました。この街にはどんな思い出がありますか?

- トリノは私の家のとても近くで、車で3.5時間程で来られます。ここで出場し、成功を収めたとてもたくさんの思い出があります。トリノへ、≪パラヴェーラ≫アリーナへ戻って来るのが大好きです。今はもうコーチとしてここへやって来ていて、自分の生徒たちの演じる様子を見るのは、さらに興味深い事です。

- ここのグランプリ大会で、あなたはカロリーナ・コストナーとお会いになりましたね。あなた達がとても仲が良いことを知っています。

- はい、その通りです。私たちがここでヨーロッパ選手権やオリンピックに出場していたのをまだ覚えています…。そして、オリンピック前の2005年に、私たちはここへトレーニングに来ました。その時、私たちは友達になりました。彼女にここで会えて良かったです。彼女は素晴らしい人で、素敵な女性で、会ったときはいつも壮麗に見え、いつも笑顔です。とにかく、カロリーナはフィギュアスケートを長く続ける刺激になるお手本のような人です。

- あなたは信じられないくらい素晴らしいスピンととても良いインタープリテーションで有名です。しかし、今は全てのスケーターがジャンプ以外の要素に必要な注意を払っているわけではありません。技術の方向に偏っていると感じられませんか?

- フィギュアスケートはいくつかの方向で進化してきました。4回転の着氷は、私の時代にも必要でした。でも、今は全てが空中で4回まわることに集中していてがっかりしています。私の時代と比べると、フィギュアスケートは芸術性だけではなく、質も失っています。なぜなら私たちは空中でもっとまわりたいからです。

私は古い学校の代表で、伝統主義者で、クリーンな技術やクリーンなフィギュアスケートが好きなファンです。私がスケーターに氷上で見せて欲しいのは、深い感情だけではなく、観客たちが繋がりを感じることができるような、より深い演技です。そして、それは芸術性だけでは得られません。もっと何かが必要です。

- ネイサン・チェンは6本の4回転をフリープログラムに入れる予定ですね。この段階で彼にライバルはいるとお考えですか?

- 私にとっては4本か5本か6本か7本かはどうでも良いことです。それらの4回転がどう実行され、プログラム全体が丸ごとどう演じられるかが大事です。私はISUが決めた方針に従っているスケーターたち自身を何も非難したくはありません。しかし、ISUは、スケーターたちに求めていることに対して注意深くアプローチしなければならないと思います。フィギュアスケートがどうあるべきか、若いスケーターたちが誰を目標として練習するべきなのか、はっきりとしたシグナルが必要です。進化の方向の選択は、フィギュアスケート界全てにとって、最も重要でありとても難しい課題です。ISUはこれに対して責任があります。彼らがルールを書いているのですから。

- コーチとしてご自分の生徒さんたちにはフィギュアスケートでのどのような考えを伝えていらっしゃいますか?

- 私が大好きな事、小さい頃にテレビでフィギュアスケートを見た時に形成された私のビジョンを伝えられるように努力しています。4回転ジャンプのためにどれだけの練習が必要かは知っていますが、回転だけが練習する価値のある唯一のディテイルだとは思いません。離氷の質、着氷の質、ジャンプを正確に跳ぶ方法があります。私たちはそれを新しい世代に伝えなければなりません。そして一つの見解だけではありません。私たちの生徒たちがより広い見方を持つことが大事です。

 

≪ミーシンとモスクヴィナ - ロシアのフィギュアスケート学校の重鎮たち≫

- 近年ロシアはほとんどヨーロッパで競争がありません。このような傾向が不安ではありませんか?どうすればこれを変えられるでしょうか?

- 私はロシアの学校が大好きで、素晴らしいロシアのコーチたちに感嘆しています。私はアレクセイ・ミーシンと練習していましたし、タマラ・モスクヴィナのことを良く知っています。彼らはロシアのフィギュアスケート学校の重鎮たちでロシアのチャンピオンたちを生み出しています。そして彼らは何世代にもわたって彼らであり続けています。ロシアのフィギュアスケート学校は私のインスピレーションの源であり、私はそこで育ちました。

ロシア人たちは既に何年も優勢です。私が育った時、ロシアの学校は最高でしたし、今も最高です。ロシアのフィギュアスケート文化は本当に特別です。私は2005年にモスクワの世界選手権で勝ったのを覚えています。そしてこんな歴史を持つ国で金メダルを獲得できたことは感動的なことでした。今、ロシアはリーダーですが、以前もリーダーでした。私たちは学んだことに感謝しなければなりません。

- 昨シーズン、あなたは紀平梨花をコーチされていましたね。あなたたちの協力関係はどのようなものでしたか?

- 彼女と一緒に練習するのは本当にファンタスティックでした。彼女は非常に良く練習します。特に良く覚えているのは、去年の全日本選手権へ向けて準備していた時のことで、これは梨花にとって素晴らしい時期でした。彼女がケガから回復することを願っています。オリンピックシーズンに練習と健康のバランスを見つけるのはとても難しいことです。彼女はグランプリシリーズ日本大会を棄権しました。とても残念ですが、彼女が自分の道を見つけてくれることを願っています。

 

≪ミーシンに感嘆している。彼は優秀な戦略家≫

- あなたはデニス・ヴァシリエフスとトリノへいらっしゃいました。彼のスケートのスタイルはあなたを思い出すと多くの人が言っています。彼の中にご自分を感じていらっしゃいますか?

- 彼はとても強い性格で、ユニークなアスリートです。彼の中に自分を感じてはいませんが、彼が日ごとに成長し、より強くなり、より成熟しているのは感じています。もちろん、彼に勝って欲しいです。順位について話すなら、1位になって欲しい。彼にはそのための全てがあります。すばらしい技術も見事なスケーティングもジャンプも。

- トリノの大会ではミハイル・コリャダが2位になりました。昨シーズンが始まる前に、彼はアレクセイ・ミーシンコーチのもとへ移りました。その後、彼のスケートは大きく変わったでしょうか?

- 私はアレクセイ・ミーシンに感嘆しています。そして、ミハイル・コリャダの演技が好きです。私はミーシンがどんな風に練習しているのかを知っています。私自身が選手だった頃、彼と練習していましたから。彼は優秀な戦略家で アスリートのエネルギーを維持するための的を射た変更のやり方を誰よりも知っています。彼らが協力すればとても成功すると確信しています。