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NHK杯後のゴンチャレンコさんのインタビュー

ロステレも終わった後で今更ですが、NHK杯の後に男子について話していたゴンチャレンコさんのインタビューの訳です。

matchtv.ru


≪イグナトフとサマリンがグランプリファイナルに進出するのは難しいだろう。何が起こるかわからないが、可能性は低い≫ – ゴンチャレンコ

エリザベータ・サムソノワ

2021年11月14日

 

ロシアのコーチ、インナ・ゴンチャレンコは≪Match TV≫のインタビューで、グランプリシリーズ日本大会でのロシア選手たちと外国人選手たちの演技結果をかいつまんで話し、アレクサンドル・サマリンとマカール・イグナトフのグランプリファイナル進出のチャンスについても評価しました。

- 東京でミスなく滑った人はいませんでした。私はステファン・ランビエールが今シーズン宇野昌磨に振り付けたプログラムがとても気に入っています。日本の選手たちはいつも猫のように柔らかいスケートで際立っています。そればかりでなく、昌磨は良い内容を見せました。4回転フリップを跳びたかったのは明らかでしたが、上手くいきませんでした。スケーティングや演技の質で、昌磨はとても優れています。

ヴィンセント・ジョウは最初の要素が≪蝶≫(多回転が2回転になってしまうこと)(いつもは「抜け」と訳していますが説明が書いてあったのでそのまま訳しています)になりました。蝶は専門家たちや観客たちをいつもとてももどかしい気持ちにさせます。嫌な現象です。彼がその後気を取り直し、自分のプログラムを続けたことは良かったです。しかし、彼は回転不足の傾向があり、しばしば着氷を注意して見なければなりません。この演技にはそういう瞬間がありましたから、これが素晴らしくテクニカルな演技だったと褒めることはできません。しかし、プログラム自体やスケートは全てとても質の高いものでした。スケーティング、エッジワーク、充実した繋ぎのステップ。

全体的に最大限難しい内容を日本で見せた人はいませんでした。1-2本の4回転とトリプルアクセル。つまり、ロシアの男子たちが競争して勝つことは実現可能なことでした。スケート、エッジワーク、スケーティング、プログラムを滑り切るという点で、アジア選手たちやアジア系アメリカ人たちからは学ぶ価値があります。この方向に成長し、進む価値があります。ロシア男子たちは停滞しているわけではなく、すぐに全てをすることができないだけです。マカール・イグナトフはシニアレベルでの経験が十分ある選手ではありませんが、彼には自分のスタイルがあります。彼はケガにも悩まされていました。それぞれが自分の道を進んでいます。

- マカール・イグナトフは4本の4回転を跳びました。アレクサンドル・サマリンは1本でした。なぜマカールの方がフリーの点数も技術点も低かったのでしょうか?

- まず第一に、ロシア男子たちがついに私たちを喜ばせてくれたお祝いを言いたいです。明らかに進化しているのがわかりました。プログラムを滑り込んでいて、持久力と機能性のトレーニングをしています。つまり、ジャンプテクニックが良くなっています。彼らは前に進んでいます。

マカールは今日4回転ジャンプでひどく驚かせました。点数に関しては、ジャッジが実行されたジャンプをどう評価するかに大きな意味があります。プラスなのか、マイナスなのか、加点がどうなっているか。なぜならプログラムは複合的にできていますから。スピンやステップのレベル、それらの点数がなぜ付けられたのかを見る必要があります。そうすればわかります。

マカールの場合、彼はジャンプに夢中になったのが明らかでした。私たちは彼にフリープログラムを滑り切る力と持久力が少し足りないことを知っています。ですから、最後は既にステップの質が落ちていて、スピンは骨身を削って終えました。このレベルから考えると、減点があり、スピンの加点もあまりもらえなかったのでしょう。しかし、全体的にマカールは前進しました。この先は結論を出し、練習する必要があります。

マカールが最後に少し疲れたというのがわかったということは、ジャッジもそれがわかったということです。選手が演技の質を落としてプログラムを終えた場合、彼らはプラスを付けられません。マカールは演技の質を落とさずに感情を込めて演技を終えるための道の途中なのだと思います。

サーシャ・サマリンは現在基本的に跳ぶことができる最も難しいコンビネーション、4回転ルッツ-3回転トウループを跳びました。その上とても幅がありました。とても良い加点が付きました。そしてその後、彼は目に見えるミスなくプログラムを滑り終えました。3回転になってしまいましたが、もう1本4回転を予定していたのはわかっています。

彼とコーチはフリープログラムで跳ぶジャンプの構成をまだ変えていて、様々な構成を試しています。おそらくまだ最適な構成を探しているのでしょう。ルッツは彼が好きなジャンプの一つで、つまり、彼はルッツを跳ぶのが楽で気に入っているのがわかりますし、これは彼にとって効果的に見えます。ルッツを跳んだ時、サーシャはいつも良い点数をもらっています。全体的にプログラムは上手くいきました。なぜならクリーンな演技はいつも印象面でのアドバンテージがあり、これは点数に表れます。

- グランプリシリーズの四大会が終わりました。ロシア男子のファイナル進出に関する予想はどのようなものですか?

- 中間結果の表を見ると、現在26~28点の人は既に100パーセント進出します。サーシャとマカールのファイナル進出は難しいと思います。彼らより上位の選手が置き換わるといったことが起こらなければなりません。何が起こるかわかりませんが、可能性は低いです。

今からまだミーシャ・コリャダとジェーニャ・セメネンコが滑ります。彼らにはチャンスがあります。彼らは表彰台に乗っています。基本的にファイナルへ進出するのは、大会で1位と2位、2位と2位、2位と1位、1位と3位の選手です。残りの選手はみんな難しいです。色々なケースがあります。私たちのサーシャ(トゥルソワ)みたいにトップ選手が辞退するとか。何が起こるか理解するためには、全ての大会が終わるまで待つ必要があります。

 

東京のグランプリシリーズ大会の結果、イグナトフとサマリンは4位と6位でした。勝ったのは日本人の宇野昌磨でした。

グランプリファイナルは12月9日から12日に大阪で開催されます。