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アメリカの天才ロシア人はアメリカのためにメダルを獲得することができなかった

世界選手権関連の記事、せっかくなので続けてあといくつか訳そうかなと思っていますが、あまり細かい内容は気にならない方だけお読みください!(ロシアの記事なので!)

www.sport-express.ru


2022年3月26日

アメリカの天才ロシア人はアメリカのためにメダルを獲得することができなかった。しかし彼はやはりフィギュアスケートの未来

宇野昌磨が世界選手権で勝った

ルスタム・イマモフ

 

世界選手権で宇野昌磨が勝ち、クヴィテラシヴィリはメダルまで後一歩。

世界選手権 男子

1. 宇野昌磨(日本)― 312.48

2. 鍵山優真(日本)― 297.60

3. ヴィンセント・ジョウ(アメリカ)― 277.38

4. モリス・クヴィテラシヴィリ(ジョージア)― 272.03

5. カムデン・プルキネン(アメリカ)― 271.69

6. 友野一希(日本)― 269.37

9. イリア・マリニン(アメリカ)― 263.79

 

フィギュアスケート世界選手権が終わりに近付いています。最後から2番目のメダル一式は男子シングル選手たちに与えられました。おそらくこれは客観的に見てロシア選手たちがメダルの権利を主張しなかった唯一の種目でしょう。しかし、大会には明らかな二人の優勝候補であるネイサン・チェンと羽生結弦が足りませんでした。それでも、北京オリンピックよりつまらなくはならず、むしろ逆かもしれません。日本人たちがお互いに4回転の壮大な戦いを繰り広げましたし、ロシアの移民の息子、イリア・マリニンが、ショートでアメリカのために並外れた演技を見せました。そして、アメリカの役人たちに、中国でのオリンピックに彼を行かせなかったことを辛辣に思い出させました。

 

マリニンは率直に自国連盟を非難した

モンペリエの世界選手権で特別な競争を期待していた人は多くはありませんでした。やはり、世界のトップであるネイサン・チェンと羽生結弦がフランスまで行かなかったからですが、ロシアのマルク・コンドラチュク、ミハイル・コリャダ、そしてエフゲニー・セメネンコは、全体の光景に大きな影響は与えなかったでしょう。しかし、そんなことはありませんでした。チェンの一人離れた宇宙的なレベルではなく、演技の平均レベルを考えると、世界選手権の男子の試合はこの間のオリンピックより緊迫した激しいものだったと言っても良い程でした。少なくとも、ショートプログラムでは一度に4人が100点を超える結果を獲得しました。しかも、イリア・マリニンと日本人の友野一希はキャリアで初めてのことです。トップ10の演技の基礎点の平均はオリンピックよりも高いのです。フリーは全体的な印象が少し損なわれましたが、それでも、デニス・ヴァシリエフスの243点というまずまずの点数でも13位に落とされました。

ですから、チェンや羽生がいなくなった後に男子シングルが沈むかのように言われている沼については、全く話す必要がありません。新しい日本のホープについては既に多くのことを言われています。鍵山優真はロシアのアンドレイ・モザリョフにひどく負けていましたが、誰がタリンの世界ジュニアでの彼の敗北をまだ覚えているでしょうか?代わりに、鍵山は既に3つの最重要大会で、連続してトップ2から落ちていません。実際、彼には3つの銀メダルのコレクションがあります。2021年ストックホルムの世界選手権、2022年の北京オリンピック、そして、今回のモンペリエの世界選手権。アメリカ人たちは希望を17歳のマリニンに繋げています。彼は世界選手権で最大限の演技をすることはできませんでしたが、彼には明らかに大きな将来性があります。ほんの数ヶ月前の全米選手権で、彼は2つの演技で6本のクワドを跳び、チェンの点数に次ぐ記録でみんなを魅了しました。さらに驚いたのは、アメリカが彼の代わりにジェイソン・ブラウンを派遣したことでした。

 

宇野はキャリアで始めて大きなタイトルを獲った

役員たちの決定に多くの人が政治的なものを感じました。ジェイソンは純アメリカ人であり、際立った愛国者です。それにゲイであることを公表しています。ロシアの移民の息子であるマリニンはアジア人のチェンやヴィンセント・ジョウと共に、星条旗カラーの中ではあまり本質的に見えなかったでしょう。決定の偏向性のことはコーチのラファエル・アルトゥニアンがそれとなく言っていましたが、イリアはオリンピックに派遣されなかったことに満足していないとはっきりと言いました。≪この演技は僕のシーズンで最高の演技の一つになりました。僕はとても満足していて、僕が確かに北京に行くべきだったということをみんなに見せたと思います。≫と、彼はショートの後言いました。そしてその時は問題なくその権利がありました。理想的な4回転ルッツ、優れたトウループのコンビネーション、そしてトリプルアクセル。マリニンの構成点はジャッジがまだ認めていないですし、GOEで喜ばせてはくれませんが、全て少しのミスもありませんでした。しかし、フリーではイリアは不十分でした。

クリーンなトリプルアクセル、ルッツ、そしてトウループの挨拶で始まりましたが、その後、サルコウと2本目のトウループでミスし、コンビネーションとメダルはなくなりました。ジャッジは若い才能に同情はせず、彼は9位に落とされました。それでもやはり、こんな若い年齢でこれは明らかに悪くはないデビューです。厳密にはオリンピックに出場したブラウンは点数でマリニンを負かしましたが、6位でも9位でも違いは最小限です。そして、イリアをオリンピックに行かせることは、戦略的にアメリカ人たちにとって、より必要で、より得になることだったでしょう。2026年のミラノへ、自分の力の最盛期に、彼は明らかに出場するでしょうから。そして、このオリンピックまでの期間に、鍵山が彼を邪魔しなければ、きっと何度も世界選手権で勝つでしょう。モンペリエで、宇野昌磨にタイトルを譲りましたが、優真は自分で金メダルのチャンスをつかみました。ついに永遠の2位だった日本人が勝ちました!それでもやはり、彼はどちらかというと去って行く時代の代表選手です。(いやいや、まだこれからだよー!)チェンと羽生がやはり続けることにするのかさえわかりませんが、これからの4年間、彼らの居場所はあるでしょうか?