≪ロシアなしの世界選手権はぼんやりして寂しいものになった≫ ロシアのコーチ – 日本とアメリカの勝利について
2022年3月29日
アナスタシア・パーニナ
宇野昌磨の勝利の理由、チャンピオン坂本花織の伸びた点数、そしてロシア選手のモチベーション。
モンペリエで日曜日にフィギュアスケート世界選手権が終わりました。コーチのセルゲイ・ドブリンは、≪Match TV≫の記者とのインタビューで、ロシアの選手たちが参加しなかった大会の結果について話しました。
- ロシアなしの世界選手権はライバルたちにとってはお祭りになったと考えることができるでしょうか?
- ある程度そうですね。特に私たちが明らかにリードしているいくつかの種目では。この大会の後、このペアやこのスケーターが一位になったとか、長年かけてメダルを獲ったとかいう統計のニュースがたくさんありました。特にベルギーではヘンドリックスの銀メダルが喜ばれているのではないでしょうか。日本女子やアメリカ女子はこのようなレベルのメダルを獲得した経験がたくさんありますが、ベルギーにとってこれは初めてのことです。ロシアのみんなが出場していたとしたら、ルナ・ヘンドリックスはメダルを獲得することができたでしょうか?恐らくできなかったでしょう。ルナや花織(坂本 - ≪Match TV≫)の周りは今とても嬉しいでしょう。
- アレクサンドラ・トゥルソワ、アンナ・シェルバコワ、そして残りのロシア選手たちが足りなかったと感じられていますか?
- もちろん足りませんでした。多くの理由で。この試合には見ものとなる対立がありませんでしたし、日本人は4回転ジャンプがない中、文句なしで勝ちました。しかし、プログラムとフィギュアスケートスクール、スタイルの多様性は単純に必要です。ロシアなしの世界選手権の女子は、ぼんやりとして寂しいものになりました。このことについては外国のファンたちでさえYouTube動画にコメントしています。
- 新世界チャンピオンの坂本花織のレベルをどう評価されますか?
- 坂本は本当に質の高いスケートを見せました。トリプルジャンプでの普通の構成で、セカンドループさえありませんでしたが。なぜでしょうか?後を追う選手との差は大きいです。実際、全てのボーナスが彼女の貯金箱に入れられました。他の誰に入れられますか?特に誰にも入れられないでしょう。オリンピックと比べても、彼女の構成点は伸び、かなりの高さに達しました。
- 宇野昌磨についてはどうですか?
- 宇野昌磨は今シーズン戻ってきて、世界選手権で自分のキャリアでの最高点を見せてくれました。立派です。こちらもトップ選手の羽生とチェンはいませんでしたが。
- 宇野昌磨のコーチは、若い世代のコーチであるステファン・ランビエールです。プルシェンコとも争っていましたが、既にシニアの男子シングルチャンピオンへ導いています。この現象はどういうことでしょうか?
- まあ、やはり昌磨を育てたのはランビエールではありません。日本人は既にオリンピックメダリスト、そしてスーパースターとして彼のもとへやって来ました。そしておそらく、ネイサン・チェンが出場して、例えば北京でのように滑ったとしたら、日本人は勝てなかったことでしょう。しかし、昌磨は長い間自分のコーチを探し、ついに見つけたのかもしれません。
- なぜ日本には強い男子選手がたくさんいるのでしょうか?羽生や宇野のような選手がいて、今は既にオリンピックメダルを獲った鍵山もいます。
- 今のロシア女子のように、日本では強い男子シングル選手の競争や訓練や育成が盛んです。友野一希もとても良いスケートをしています。それプラス、彼らの多くにジャンプを楽にさせる重心が低い特別な体格という同じ特徴があります。鍵山も背が低く、少し宇野昌磨に似ています。
- 世界選手権にみんなが問題なく参加できていた場合の私たちのチャンスについて興味があります。例えば、ミハイル・コリャダが出場していたとしたら、彼にメダルのチャンスはあったでしょうか?
- 3位の点数を見たら、とても良い演技をした場合、ポテンシャル的には可能だったと言えるでしょう。しかし、ロシア男子は常にそうです。ポテンシャル的には可能なのに、結局、実際には上手くいきません。ミハイルはちょうどオリンピック後の世界選手権の銅メダリストですし、今回も上手くいったかもしれませんが。
- エテリ・トゥトベリーゼ、アレクセイ・ミーシン、タマラ・モスクヴィナや他のロシアのコーチたちについてはどうでしょうか?生徒たちのモチベーションを維持するために、どのような言葉をかけるべきですか?
- スケーターのそばに、メダル、特に金メダルがあるという事実が大事です。欲しかったものを勝ち取ったら、国際大会に出場できない状態で向上し続けるモチベーションを持つのがより難しくなることがわかるでしょう。
もし、スケーター自身が闘志満々で勝ちたいなら、現在の問題が終わるのを待つことを納得させるのはずっと簡単になります。
そして、もしISUが予定している通り年齢を引き上げるなら、あとおそらく3年はジュニアになるアカチエワはどうモチベーションを見つけるでしょうか?まさに彼女の生まれ年の選手たちが、最もついてないということになりますから。そうやってジュニアで滑り、それからシニアのオリンピックに出る、そして突然、オリンピックは中止になるか出場が許可されないことになる…。彼らはまだ学校で勉強していて、急ぐ必要はありませんが、ホープの一人である彼女も18歳になった後は、既に全て良い状態を維持するのは難しいです。その頃にはもう多くの選手が選択します。フィギュアスケートでキャリアを続けるか、何か別のことをするか。言うまでもなく、選手たちはとてもかわいそうです。