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≪必要なら1週間ミルクとパンで生活する≫ アリエフ、ロシアスケーターの国際的孤立について

www.sport-express.ru


2022年4月11日

≪必要なら1週間ミルクとパンで生活する。≫ ヨーロッパチャンピオンのアリエフ、ロシアスケーターの国際的孤立について

フィギュアスケートヨーロッパチャンピオンのアリエフは、1週間ミルクとパンで生活できると話した。

ドミトリー・クズネツォフ

 

ドミトリー・アリエフは、≪Sport Express≫のインタビューで、周りで起こっていることを受け止め、手段を見つける方法を示している

 

ジェットコースター(「アメリカの山」と書きます)があります。ロシアではそう呼んでいますが、アメリカにはロシアの山があります。そして、ロシアのスケーター、ドミトリー・アリエフのキャリアもあります。どちらの山でも、その名前で彼のキャリアを表せるかもしれません。なぜなら、こんなに振り幅のあるキャリアを持つ人は少ないからです。2018年のヨーロッパ選手権銀メダリストで、平昌オリンピックではロシア男子最高位の7位でしたが、その後、翌シーズンのピークはロシア選手権の5位で、全ての主要国際大会に出場できませんでした。その翌年は新たな上昇期で、ロシア選手権とヨーロッパ選手権の金メダルを獲得しましたが、そのシーズンのもっと大きなメダルの獲得は不可能でした。世界選手権はコロナウイルスのため中止されました。

しかし、その後アリエフは再び姿を消しました。次のロシア選手権を欠場し、世界選手権からは遠く離れました。そのため、ロシアカップファイナルでは3位に留まりました。ケガ、問題、自己分析。今シーズンはアリエフもロシア代表のトップではありませんでしたが、ベテラン選手はほとんど誰も若い世代の選手たちに立ち向かえませんでした。彼らはミハイル・コリャダにも立ち向かえました。現在、ドミトリーは、国際大会から除外されている状況の中であっても、マルク・コンドラチュクやその他の選手たちの成功が、彼が新しい気持ちでキャリアを続けるモチベーションになっていると話しています。私たちは彼と世間を騒がせたトゥーラのショーの後に話しました。

 

僕はロシア連盟が可能な限り選手たちをサポートしてくれると確信している

 

- ドミトリー、いきなりですが、重要なことから聞きます。現在の状況の中で、スケーターはこの先どのように生活していくのでしょうか?あなたの将来の計画はどんなものですか?

- 確実に話せるのは自分のことだけです。なぜなら、僕は個人的に発言するべきですし、他のみんなは自分で自分の責任を取ります。僕はこの状況であってもただ滑り続けます。ロシアカップファイナルやロシア選手権に出場しなければならないので、そうする必要があります。それに、何れにしてもそれは来るべきシーズン、僕を待っています。僕は代表に入っていませんから。だから、僕は可能性があるところに出場するという挑戦を自分のために受け入れました。

スポーツ界が置かれている状況についてコメントできないということはわかっています。このシステム全てがどのように構築されているのか知りませんから。ひとつだけ言うと、自分も含めた選手たちみんな、一緒に練習し、未来を創っているコーチたちのことを気の毒に思っています。

- 選手たちは状況の人質だと言えますか?

- そういう言葉は使わないですが、僕たちは行きたい所へ進めない行き止まりにいます。僕にとっての解決策と挑戦は、ただ滑ることです。もしロシアカップファイナルならそこで。チャンネル1カップでも。僕にとって人生で最も重要なのはフィギュアスケートそのものです。

- プラグマティズムを付け加えたら、何かで生計を立てなければなりませんが、そういうものはありますか?特に、あなたが代表でないとしたら、資金面はより難しくなりますか?

- これは全て連盟次第です。僕は彼らは、彼らが実際に既に今シーズン見せてくれたような全ての可能な方法で、選手たちをサポートしてくれると確信しています。つまり、もしこう言って良いなら、彼らは自分たちの言葉に責任を持っています。彼らは言った通りのことを選手たちに対して行いました。

それから、ヨーロッパ選手権で優勝すると、賞金と追加金が役立ち、標準的な生活ができるようになります。でも、今の状況だと弱い人はどうすればいいでしょうか?きっと、スポーツから離れ、子供たちに頼み教えに行くでしょう。進歩することを熱望し、進歩したくてたまらない標準的な強い選手は滑るでしょう。一番大事なのは、スポーツを辞めた後の人生に持って行く経験です。だから、資金面の問題は…。ほら、僕は1週間ミルクとパンで生活できますよ!まあ、これは有名なフレーズです。それに僕はもちろん食べるのが大好きです(笑)。でも、僕は必要な場合は自分を制限する力と意志が十分あります。

- やった後に太っても良い面白いダイエットですね。

- たぶん。その代わり栄養は十分ですよ!

 

オリンピックでの成功の後、不審げな視線があった

 

- ロシア選手権の後、ミックスゾーンで、あなたは競技を終えなければならないのではないかという気持ちだったのを覚えています。今は全く違う気持ちなのですね。

- はい、そうでしたね。今は、僕は多くのことを再認識しました。長い間何かのことを率直に考えていたとは言えません。ただ、ある時、突然周りの全てが変わったことに気が付かなかっただけでした。印象、世界観。たぶんオリンピックの後です。友達のマルク(コンドラチュク)がそこへ行って来ました。彼を見て、渇望が生まれました。くそっ、僕はまだできる!まだ男らしく競う余力はあります。そして、自分を追い込まず、状況に囚われないことにしました。そして今、ショーが開催されています。僕をイベントに呼んでくれたヤナ・ルドコフスカヤ、エフゲニー・プルシェンコ、また、イリヤ・アベルブフに感謝しています。彼らと出演し、ショーのおかげで自分も鍛えられ、どんな仲間たちが周りで滑っているのかがわかります。もちろん、置いて行かれたくありません。これが僕を支えてくれ、モチベーションになっています。

- マルクは自分の成功でロシア男子みんなに力を与えましたか?

- とても。2018年にみんなが僕からショックを受けたのと同じです。最初のオリンピックシーズン、僕は18歳で行きましたし、個人戦で相応しい演技をしました。そして、同じくみんなこう言っていました。≪どうしてこうなった?ありえないしフェアじゃない!≫

- うらやましがられたのですか?

- はい、そういうことがありました。はっきりと。不審げな視線がありました。当時、彼らが僕を落胆させることはありませんでした。なぜなら、僕自身の内面がそれくらい強かったからです!自分がいた場所、自分がしていたこと、全てが元気をくれましたし、そういう視線でさえ、僕に力を与えてくれました。そして、僕はさらに強くなりました。でもその後、次のシーズンに心理的な挫折がありました。

今、僕はこう言います。僕は、うんざりすることやルーティン感覚がない時、その感覚を受け止められるキャリアの段階に入っていることを願っていると。朝、目が覚めて、問題なく喜んで練習に行きます。

- 今はスケート以外に何かされていますか?以前は音楽だったのを覚えています。

- 今はスポーツに集中しています。そして、僕たちのグループ、エフゲニー・ウラジーミロヴィチ・ルカヴィツィンのところに子供を集めようとしていて、若い世代の子を引き受け、少し教えています。簡単にアドバイスを伝えて助けています。

 

他の国への移籍に関する話はスケーターの間で話されている

 

- 次のナショナルシーズンは、ロシアカップのどれかで、何かとてもクールなことをするチャンスでもあります。スケーターの皆さんに何かお考えはありますか?

- それは実際に腰を据えてみんなで考えないと。Telegramチャンネルの≪FlutzBerger≫はどうやってできましたか?(24,000人の購読者がいるチャンネルで、スケーターたちはそこで動画メッセージを使って自分の生活について話しています。 - 注:≪Sport Express≫)これは僕のアイデアでした。みんなに電話しました。試してみよう、無料で自分のミニプロジェクトを始めようって。その後、できる人とできない人がいました。僕たちはなんとか関心を持ってもらい、始めました。僕は、何かを思いついた時は、みんなと腰を据えて実際に議論しなければならないような気がします。

- ロシアのスケーターたちがスポーツ国籍を変更し始めることを懸念するべきでしょうか?

- 僕が個人的に言えるのは、僕はいつも大変な場所で戦うようにしてきたということです。もしそこで勝ったら、僕は成長し、もっと強い人たちと同じレベルになるということになります。僕たちの国では、客観的に見てスポーツが素晴らしく発展しています。とても高いレベルです。男子シングルにはとても強い競争相手がいます。僕はここで戦います。そしてここで上手くいけば、世界の舞台でも上手くいくでしょう。

- でも、代表国の変更に関する話は少なくとも耳にするようになりましたか?それとも、これはジャーナリストたちが大げさに言っているのでしょうか?

- はい。実はそういう話はあります。でも、僕はそのことを考えているみんなのことを理解できます。ある程度理由を理解できます。僕はそういう人たちを知っているし、彼らは友達です。もし彼らが試したいのなら…

- 彼らを裏切り者と呼ぶべきではないですか?

- はい。たぶん彼らの興味は、移籍により自分のポテンシャルを現実化し始めることにあるのでしょう。それはとても見る価値があります。


国のお金で競技を続けているロシア選手たちの立場は複雑ですね。