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ガチンスキー、ジャンプの基礎点変更について

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アルトゥール・ガチンスキー:ISUのロジックが理解できない。ルッツはフリップよりも価値があるはずだし、トリプルアクセルはもっと高く評価されるべき

ISUは3回転ジャンプと4回転ジャンプの基礎点を変更した

 

2011年の世界選手権銅メダリスト、2012年のヨーロッパ選手権銀メダリスト、そしてコーチのアルトゥール・ガチンスキーは、≪Sports Daily≫の特派員との会話で、ISUが承認した変更についての自分の意見を話してくれました。

3回転ルッツは0.6点下がり、5.3点になりました。3回転フリップと同じです。4回転ループは0.5点上がり、4回転ルッツは0.5点下がりました。そして今、この2つのジャンプは4回転フリップと同じ11点です。

- 3回転ルッツは3回転フリップと同じにされましたね。

- ルッツを跳ぶのはもっと難しいし、フリップはずっと簡単です。だから私は少し当惑しています。ルッツはフリップより価値が高いはずです。なぜなら、スケーターがルッツを跳ぶの時には、多くの問題が起こっているからです。エッジ、踏み切り、着氷、複雑さ…。ルッツは難しいジャンプです。なぜルッツがフリップと同じ価値になったのか理解できません。

- 4回転ループ、フリップ、ルッツは同じ点数になりました。

- これも不可解なやり方です…。ロジックが理解できません(笑)。私は若いころに跳んでいました。だから、4回転の話なら、これらはとても難しいジャンプだと言うことができます。ループを跳ぶのは一般的に危険が伴います。エッジが抜けて跳べないことがあります。フリップも私の意見では難しいです。4回転ルッツはとても跳ぶのが大変です。このことについての説明は1つだけあります。

- それは…。

- 全ての多回転、4回転ジャンプを跳んでいる選手たちの大部分が、ルッツとフリップを跳んでいます。ほとんど全ての人が、ルッツを跳び、フリップを2番目にやっている。ループを跳ぶ人は少ない。すぐに思い浮かぶのは結弦[羽生]です。ISUのロジックはこうなのかもしれません:みんなリスクを取って試合でループも試し始めてください。

- 点数が高いジャンプだけではなく、全てやってくださいということですね。

- はい。フリップは宇野昌磨とネイサン・チェンが跳んでいる。ループは結弦が跳んでいて、昌磨も試していた。そして4回転ルッツは、ミーシャ・コリャダもアレクサンドル・サマリンもドミトリー・アリエフもネイサン・チェンも結弦も持っています…。ルッツを持っている人は多いけれど、ループは違います。おそらくこういう目標がISUで追求されたんでしょう。

- あなたの先生、アレクセイ・ニコラエヴィチ・ミーシンは、ISUがこういう変更を行うなら、最も難しいジャンプの1つであるトリプルアクセルの点数を上げるべきだろうという考えを述べました。

- アレクセイ・ニコラエヴィチに完全に同意します。トリプルアクセルは、簡単ではない、技術的に難しいジャンプです。自分で滑ってトリプルアクセルを跳んでいた頃から、もっと高く評価して欲しかったです。その時トリプルアクセルは8.50点でした。

- 今は8.0点ですね。

- はい。もし平均的なトリプルアクセルを跳べば、大きくない≪加点≫で8.5~9点もらえます。トリプルアクセルより跳ぶのが簡単なトリプルルッツでも、加点付きならより高い点数でさえもらえるでしょう。

- この前のヨーロッパ選手権で、アルトゥール・ダニエリヤンは、ジョージア人のモリス・クヴィテラシヴィリと銅メダルを争い、わずか0.03点差で勝ちました。0.6点の変更が影響するかもしれませんね。

- はい。おそらくプログラムのジャンプ構成は変わるでしょう。たとえば、ルッツを1本、フリップを2本にする。これはより合理的になります。ショートプログラムでは、ジャッジがエッジをとても注意深く見てひどく減点してくる、より難しいルッツより、質の高いフリップを跳ぶ方が簡単です。

- あなたの好きなジャンプは何でしたか?多くの他のジャンプより簡単にものにできたのは何ですか?

- トリプルアクセルです。現在、特にジュニアでは、その存在は大きな切り札です。トリプルアクセルの得点で、ショートプログラムに勝つことができます。ステファン・ランビエール(2006年のオリンピック銀メダリスト、2005年と2006年の世界チャンピオン - ≪Sports Daily≫)を思い出すと、彼はあまりトリプルアクセルが得意ではありませんでした。彼はよくトリプルアクセルの代わりにダブルアクセルを跳んでいました。この点数の喪失のせいで、いつも何か他のことで埋め合わせなければなりませんでした。それで今は、全ての主要な選手たちがトリプルアクセルをとても上手に跳んでいます。

- 女子選手たちがトリプルアクセルに大きな問題を抱えているのはなぜですか?

- これは調整の難しいジャンプです。男の子たちでも、トリプルアクセルを学ぶ時、何をどう正しくしなければならないのかをあまり理解できていない子もいます。頭で理解するのが難しい、かなり複雑な技術的ニュアンスがいくつかあります。そして体現するのはなおさらです。

- ずっと反響の大きなテーマ、アレクサンドラ・トゥルソワがエテリ・トゥトベリーゼから離れた件ですが、アレクセイ・ミーシンのコーチングスタッフメンバーとして、エフゲニー・プルシェンコをライバルの一人として受け取っていますか?以前は彼のアカデミーには強いジュニアがいただけでしたが、今はトゥルソワもスタニスラワ・コンスタンチノワもいます。

- お話しするのは難しいですね。ジェーニャ・プルシェンコの学校に移った全ての選手は、移籍しただけです。そしてこれを自己隔離体制中にやりました。オンラインでのトレーニングしかできず、氷に出ることはできません。だから、何か具体的な事を今言うのは難しいです。まず準備期間を過ごさなければいけません。それからシーズンが始まります…。アレクサンドラ・トゥルソワ、スタニスラワ・コンスタンチノワと、ジェーニャのチームの仕事を見てから、競争相手か、反対に競争相手ではないかを明確に言うことができるでしょう。しばらく待った方が良いです。

- あなたはみんなと同じようにこの移籍についてのニュースに驚きましたか?それとも何かご存知でしたか?

- いいえ。正直に言って、何のインサイダー情報も持っていませんでした。このニュースを読んだ時、少し奮い立ち、なんだか自己隔離の世界がどこかへ移動したみたいに驚きました。衝撃の情報です。でも、みんなそれぞれがトレーニングするのにより良くより快適な場所を自分で選んでいます。

- 氷上での具体的なトレーニングはまだないということで合っていますか?少なくとも5月31日までは≪ユビレイニー≫にミーシンのグループが戻ることはないですか?

- はい。正しい情報です。今の所、待機体制、自己隔離体制です。私は仕事がしたいのでとても残念です。