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カミーラ・ワリエワ:≪私にとっての幸せとは何か?親しい人たちや親族みんなが健康でいることです≫

ロシアスケ連ページに載ってたワリエワちゃんのインタビュー記事の訳です。

記事が出た時に途中まで訳したんですが、全日本前でソワソワして放置していたら、いつのまにかもう全日本もロシア選手権も始まってしまうような日になってしまった…💦

fsrussia.ru


カミーラ・ワリエワ:≪私にとっての幸せとは何か?親しい人たちや親族みんなが健康でいることです≫

2020年12月7日

 

世界ジュニアチャンピオン、カミーラ・ワリエワはモスクワで行われたロシアカップ第5戦で勝ちました。エテリ・トゥトベリーゼ、セルゲイ・ドゥダコフ、ダニイル・グレイヘンガウスの生徒は、試合で初めてショートプログラムでトリプルアクセルを跳び、他の要素のことは別として、フリーで2本の4回転トウループを入れて滑り切りました。

演技後、カミーラは、トリプルアクセルの練習をどのように行ったのか、なぜ彼女とコーチたちはフリーの衣装を変更することにしたのか、彼女が世界ジュニアの中止についてのニュースをどう受け取ったのか、そして新年をどこで迎えるのかを話しました。

- カミーラ、この試合であなたは初めてショートプログラムにトリプルアクセルを入れて滑りましたね。こういう演技をするというはっきりとした目的を持って準備していたの?

- はい。この試合には、次の試合でより自信を持って跳べるように、トリプルアクセルを入れて滑るのを試すという課題がありました。

- あなたのトリプルアクセルは難しいアプローチで両手を上げていましたね。

- 両手を上げた方が手を上げないより私は簡単に跳べるからです。私たちはダブルアクセルへのアプローチを変えなかっただけです。そして、私は手を上げないでジャンプに入るのがもうやり辛いのだとわかりました。手を上げずにアクセルを跳んでいた時、ミスが出ていました。私は回転から右へ放り出されていて、斜めに跳んでいました。でも、両手を上げると幾分まっすぐになります。閉めてちゃんと跳ぶので。

基本的に私はこの試合でアクセルを跳べたことが嬉しいです。中断もありましたが、ずっと長い間このジャンプに取り組んでいましたから。

- 詳しく話してくれる?

- 私が最初にトリプルアクセルを試したのはもう数年前で、まだジュニアにさえなっていない時でした。少しそれに取り組み、試して、試して、それからやめました。その後、私たちは、チェリャビンスクのジュニアグランプリの後、9月に練習を再開しましたが、その時、私は練習であまり上手に着氷できなかったので、私たちはこの考えをやめました。私はアクセルをやろうやろうと思っていましたが、ある理由でそれを練習し始めませんでした。

この期間、私はずっといつものように手を上げずにアクセルを跳んでいました。そして、今シーズンが始まる前、ノヴォゴルスクの合宿で、エテリ・ゲオルギエヴナ(トゥトベリーゼ - 注)がみんなにこう言いました:≪ダブルアクセルを両手を上げて跳びましょう≫。3年前、私はそれを両手を上げて跳んでいましたが、それからそのことを忘れていました。そして、彼女は、この方が簡単で、その後トリプルアクセルも手を上げずにできるようになると言いました。私は練習で両手を上げてたくさん跳び、手を上げないともう難しくなっていました。

- トリプルアクセルをより安定して跳べるようになったのはいつ?

- 今回のロシアカップのだいたい1週間前です。練習では毎回、1、2回はやろうとしていましたが、ミスしてしまわないように、それほど多くは入れないようにしていました。1、2回なら順調なんです。夜の練習ではより上手くできました。こんな風に、少しずつ仕上げました。

- あなた自身がここでトリプルアクセルを見せたかったの?

- はい。私にはここでそれを試し、その後、より自信を持ってできるようになるための最高の時期に思えました。

- ロシアカップの第2戦と第5戦の間に、あなたには準備時間があった。グランプリシリーズロシア大会の後、あなたはショーに参加し、そこで、エキシビションナンバーだけではなく、4回転ジャンプも含めた全ての要素を入れた試合のプログラムも演じましたね。つまり、このエキシビションはあなたにとって今回のロシアカップの準備の場所になったということ?

- はい。私はショーで4回転トウループを跳ぶのを試したかったんです。一度もやったことがなかったので。これは私にとってとてもプラスになると思いました。もしライトが消えているショーで跳べば、試合でより簡単になるからです。どちらかと言うと、あの演技は私にとってこの試合に向けての準備みたいなものでした。

- ちょっと自信が持てるようにね。

- はい。エキシビションの後、私は自信を感じて、それからここ、≪メガスポルト≫へやって来ました。そしてまた少し自信がなくなりました。なぜだかわかりませんが、練習に入ってすぐに、まるで何もできないかのようになりました。

- 試合に観客がいなかったから?

- はい、私は知っていました。でもどちらでも同じです…。試合に向けて少し落ち着いて、もう普通に出ました。そして、ショートプログラムの前の練習ではちょっぴりそんな感じでした。私は、主なライバルたちは誰も出ない、あなたはプログラムを滑り切らなきゃ、と言われていましたが…。でも、私にとって、ライバルがいようがいまいがどちらでも同じ試合です。そして一番のライバルは私自身です。

- そうだとすると、フリーはそれほど難しくないルッツで自分に対処できなかったということ?この三回転で何が起こったの?

- 前の試合から、そのルッツのことを、どうやってそれをきちんと跳ぶのか、たくさん考えるようになり、結局、何も上手くいきませんでした。私は4回転トウループを跳ぶ時でさえ、どうやってジャンプに入り、何をするのかがわかっていましたが、ルッツは…何をしなきゃいけないの?何をしなきゃいけないの?ってすぐにパニックになりました。今はとにかく考えない方が良いとわかりました。だって、私はそれを跳んでいたんだし。

- 確かにそうね。今、自分のプログラムについて何が言える?どれくらい理解して感じられるようになった?

- フリーは9月のテストスケートより自信を持って滑ることができるようになりました。ショートプログラムはこの試合ではアクセルのせいで少し締め付けられていたので、次の試合ではもっと落ち着いて、もっと響き渡るように全てをできるように頑張ります。

- トリプルアクセルは今のところショートにだけ入れる予定?

- まだわかりません。全部あり得ます。

- あなたのフリープログラムはラベルの≪ボレロ≫の曲で振り付けられていますね。この曲はスケーターたちに良く使われていたけど、コーチがこんなプログラムにすると言った時、どうだった?

- 私は少し驚きました。≪エクソジェネシス≫みたいなタイプの曲を提案されると思っていました。そして、彼らが≪ボレロ≫だと言った時、私はちょっとわからなくて、どうそれを滑ればいいのか少し考えました。でも、試合を追うごとに、何か似たようなものではなくて、≪ボレロ≫で滑っているように見えるように、より自信を持って響き渡るように全てできるといいなと思っています。

- この曲をより理解するために、もしかして、バレエや他の振り付けを見た?

- はい。マイヤ・プリセツカヤも見ましたし、母と≪ノーヴァヤ・オペラ≫劇場に通いました。そして、床の上で、全てのポジションが的確になるように、全てが一体となり調和して見えるように、鏡の前でこのプログラムを練習していました。

- フリープログラムの衣装を変えましたね。どうして?

- 前のは前後にたくさん付いていたからです。私には重かった。スカートも。何か他のものにすることにしました。後ろに蛇の目を作らないで。

新しい衣装の方が好きです。

- でも、プログラムのテーマ自体は変えていないの?

- はい。前と同じ蛇のイメージです。ただ衣装には蛇を描かないことにしました。例えば、ショートプログラムでは私は鳥を表現しています。でも衣装にその絵はありません。フリーの衣装も同じにすることにしました。

- でも、あなたのショートプログラムの衣装の色は、誰かが海の波を思い出すと言っていました。あなたの曲は≪ストーム≫だし。

- はい。それについて読みました。でもこのプログラムでは私は鳥です。フリーは蛇です。蛇を思い出させる動きをして、蛇みたいに見えるように、滑らかに、より残酷に描写できるように頑張っています。

- 蛇は危険な生き物ね。

- そもそも、私は蛇がちょっと怖いんです。今まで出会ったことがないんです。でも、テレビで大きなニシキヘビを見ました。すごく怖い!画面にさえ近づかない方が良いですね。

- その通りね。カミーラ、あなたはジュニアだけど今シーズンロシアカップにシニアで出場しているわね。これはモチベーションになる?

- 上級選手ための試合に出場できて嬉しいです。これもシニアシーズン前の経験になります。シニアのグランプリシリーズよりも、ここで自分を確かめた方が良いです。

- 世界ジュニア中止のニュースをどんな風に受け取った?

- もう一度世界ジュニアに行きたかったのでがっかりしました。より正確に言うと、世界ジュニアが中止されて悔しかった。でも、ただ中止されたわけではなくて、深刻な理由のせいなので、健康の方が大事だと思っています。

- でも、たぶんあなたにとって世界ジュニア出場は大きな目標だったでしょう?今はどこでモチベーションを探してる?

- モチベーションはいつも見つけられます。もちろん、もう一度世界ジュニアに出て、自分を国際大会で試したかったですけど。私の今シーズン最初の国際大会になったでしょうし。

- パンデミックのせいで、ジュニアグランプリを含めた多くの国際大会が中止になったけど、あなたにとって試合に参加することはどれくらい重要?開催する必要はないと考えている人もいるけど?

- 私たちの連盟がロシアカップを開催するのは正しいと思います。やはり試合ですから。試合がなければ来シーズンとても難しくなったでしょうし、どんな風に試合するのか、どんな風に緊張するのか、試合の雰囲気を忘れてしまうでしょうから。もしこの試合がなかったら、後でみんなとても大変だったと思います。そして、ロシアカップで何かを試し、すぐにうまくいかなくても、その後、完成させて仕上げ、自分のスケートやプログラムを改善してシニアのグランプリに行った方が良いように思います。

- 今の世界の状況が原因で、何か考え直したことがある?例えば、あなたにとって幸せとは何か?とか。

- 私の親しい人たちや親族みんなが健康でいることです。もし健康なら、他の全てのことも大丈夫です。そして、これは今の状況は関係ありません。親族が健康なだけで幸せです。みんなが生きていて、みんなが健康なら、何も心配することはありません。

- この試合の後はロシア選手権で、その後は新年ね。先に聞いちゃうけど、どこで新年を迎える?

- カザンの親戚の所へ行きたいです。

- おいしい食べ物、甘い物…

- 甘い物はどうするかわかりませんが、そこには祖母と叔母がいます。それだけでもう良いんです。私は彼らに長い間会っていないので、みんなに会いに行きたいです。

- ワンちゃんは連れて行く?

- 考えてみます。

- なんで?

- 今は隔離のせいで、ある問題があります。例えば、私たちは彼と一緒にここへ、リンクへ来たかった。彼は小さくて、2キロもなくて、キャリーの中に居ました。私たちは彼を外に出すつもりはありませんでしたが、リンクで犬の許可証が必要だと言われました。犬を連れて来ていたサーシャ・トゥルソワはそういう証明書を持っていました。母は文句を言わず、わかりましたと言って、ホテルにリョーヴァを連れて帰りました。

- それで、彼はあなたの演技をテレビで見たのね。

- そういうことになります。

- カミーラ、ありがとう。がんばって!

 

オリガ・エルモーリナ

タチアナ・フレイド