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ミーシン先生の本より、プルのこと2

のつづきです。


アスリート

 アスリートジェーニャの最も重要な性質は勝つ能力です。プルシェンコの時代、ジャンプが上手く、見事に滑るスケーターたちはたくさんいました。しかし、彼はライバルたちを圧倒するユニークな能力を持っていました。プルシェンコが彼らと同じリンクでウォームアップを始めると、彼らはしばしば文字通り縮こまっていました。この能力を彼は全キャリアを通して持っていました。最初のジュニアの試合から、彼の演技が実際に試合結果を決定したソチオリンピックの団体ショートプログラムまで。

 フィギュアスケートにはスポーツの歴史のすべての時代に名を残している人たちがいます。ベルソワ - プロトポポフ、ロドニナとパートナーたち、トービル - ディーン。男子シングルスケートは21世紀の初頭を、極めて正当に≪プルシェンコ時代≫と呼ぶことができます。誰が次にこういう選手になるでしょうか?今の所地平線上に私にはそのような人たちが見えません。もちろん、2度のオリンピックチャンピオン羽生結弦はユニークで優れたアスリートです。しかし、時代を彼の名前で呼ぶことを私は避けます。

 今日、最も目に見える長所は、表彰台がエテリ・トゥトベリーゼのグループの女子たちのものになっている女子シングルスケートがたどっています。しかし少女が統治する期間は概して短いものです。あるヒロインが別のヒロインに取って代わるのですから、後に、トゥトベリーゼコーチ時代と言う方が彼女の生徒の誰かの時代というよりは適切かもしれません。

 エテリの側にはセルゲイ・ドゥダコフとダニイル・グレイヘンガウスの姿が見えます。私は彼ら二人共アスリートとして覚えています。セルゲイは技術面で優れていて、トリプルアクセルさえ跳んでいました。ダニイルはその時すでに並外れた芸術的才能が際立っていましたが、ジョークで言われているように、イメージの中に入ってしまい、そこから抜け出すことができず、安定性で優れてはいませんでした。そしておそらく、エテリの名前にセルゲイとダニイルの名前を加えるのが正当でしょう。

 アスリートプルシェンコについての話を続け、彼の他の特徴に注目したいと思います。概して普通の人間はしばしば自分の外に失敗の原因を見つけようとします。下手なダンサーはズボンが邪魔をしますが、選手たちを邪魔するのはダメなジャッジ、彼を試合に誤って導いたコーチ、または誤ったプログラムを振り付けた振付師です。私とジェーニャが一緒に歩んだ道のりは基本的には勝利でしたが、途中で敗北もありました。しかし、繰り返しますが、私はジェーニャが私や振付師や審判団や練習条件に罪をかぶせようとした出来事を覚えていません。極めて珍しい性質です!≪隣人の肩に責任をなすりつけない≫能力を持つ、私のコーチ歴で2人目のアスリートは、リーザ・トゥクタミシェワでした。この優れたアスリートの人生では、バラの花びらがしばしば棘に置き換えられました。しかしこれらの棘を彼女は決してコーチに突き刺そうとはしませんでした。


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