ただのフィギュアスケートファンのロシア語翻訳

フィギュアスケート関連のロシア語記事や動画の翻訳が中心のブログです。

最高のパフォーマンスランキング、1位は…グレスピ!

またまたランキングの記事です。

www.sovsport.ru


ヘビ、ヴァンパイア、ロケット - そしてサプライズチャンピオン。年最高のパフォーマンスTOP5

チガイ・レフ

2019/20シーズンのプログラムの人気ランキング、後半は、重要な国際試合のチャンピオンたちが優勢です。しかし、私たちはそれでも彼らに勝利を与えませんでした。

昨日、6位~10位についてお話した時、私はおそらくロシアのパフォーマンスをちょっと選び過ぎました。一方で、これは驚くことではありません。世界のフィギュアスケートのNo.1の学校についての話なんですから。それに、みなさんと私は、最高のプログラムの選択が極めて主観的なものになるということで、すぐに合意に達していました。そしてそれでもやはり、今日、ロシアとロシア以外のバランスが、より良識あるものだとわかりました。

TOP5の最初はまたしてもロシアのスケーターですが、外国人選手たちはこの後に続きます。

 

5位。どうやって天使がヴァンパイアになったのか

アリョーナ・コストルナヤ(ロシア)。フリープログラム

曲:アレクサンドル・デスプラ、≪ミューズ≫ - 映画≪トワイライト~初恋~≫のサウンドトラックより、≪ブルー・ファウンデーション≫ - ≪Eyes on Fire≫

振付:ダニイル・グレイヘンガウス

ショートプログラムも素晴らしいですが、昨シーズンからのプログラムなので、人気ランキングに入ることはありません。アリョーナ・コストルナヤは天使の姿で滑っています。しかし、その代わりにフリープログラムで、彼女とエテリ・トゥトベリーゼ、ダニイル・グレイヘンガウスは、ヴァンパイア映画≪トワイライト~初恋~≫から、正反対の種族の登場人物に目を向け、創造性のある暴力行為を行いました。濃くて黒い影のある目、ドレスに付いた血のしずくなど。

このようにして、光と闇の力を一つの馬具に押し込んだあと、コストルナヤは驚くべきコンビネーションを手に入れ、ヨーロッパ選手権とグランプリファイナルで優勝し、世界最高の女子シングル選手の王座をつかみ取りました。その上、アリョーナ自身、フリーのヴァンパイア、ベラのイメージの方が彼女にずっと近いと言っています。彼女はヴァンパイアにずっと憧れていて、スタイルや美しさの見本とさえ考えていることがわかりました。

 

4位。エジブトのヘビ

マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ)。フリーダンス

曲:ラウル・フェランド - ≪イヤーニング≫、クインシー・オルティス - ≪Sahara Nights≫、≪アル・アハラム・オーケストラ≫ - ≪Layali Al Sharq≫

振付:マリー=フランス・デュブレイユ、サミュエル・シュイナード

≪アヒルみたいに≫手のひらを振るエジプトのダンスのテーマは新しいものではなく、一部の専門家は、マディソン・チョックとエヴァン・ベイツの新しいフリーに冷淡な態度を取りました。しかし、世間と、より重要なことですが、ジャッジたちは別の判断をし、しかも 彼らを理解することもできます。軽くてしなやかなチョックの演技で、ヘビの表現は極めて印象的に見えます。概ねアメリカ人たちの期待は正しく計算され、上手く行きました。マディソン・ハベルとザカリー・ダナヒューから国の1番手カップルの地位を奪い、彼らは四大陸選手権で勝ちました。

 

3位。ロケットマンのロックンロール

ネイサン・チェン(アメリカ)。フリープログラム

曲:エルトン・ジョン - 映画≪ロケットマン≫のサウンドトラックより

振付:サミュエル・シュイナード、マリー=フランス・デュブレイユ

ネイサン・チェンは、コロナウイルスがまだ一切ない時に、≪遠隔≫トレーニングを始めました。有名なイェール大学での勉強のため、彼は、ラファエル・アルトゥニヤンコーチの指導の大部分を、インターネットを使ったビデオ通話で受けています。彼がほとんど全ての試合で勝つことを邪魔するものは、全くありませんした。12月、トリノで彼は、1つのプログラムで5つの4回転ジャンプをクリーンに跳び、自分の世界記録をフリーと合計でそれぞれ9点と12点更新し、それに応じて2度のオリンピックチャンピオン、羽生結弦を粉砕しました。絶大な差の≪+44点≫で!

そして、問題はジャンプだけではなく遠くにありました。このグランプリファイナルのクライマックスになったのは、有名歌手についての新しい伝記映画で流れるエルトン・ジョンの曲を使った素晴らしいチェンのロックンロールでした。明るい黄色と白のシャツを着た青年のダンスは、客席の多くの観客たちが、彼と一緒に踊り出すほどの深い感銘を与えました。

 

2位。雨の中のダンサーたち

ヴィクトリヤ・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ(ロシア)。ショートダンス

曲:アーサー・フリード、ナシオ・ハーブ・ブラウン - 映画≪雨に唄えば≫のサウンドトラックより

振付:セルゲイ・ペトゥホフ

私たちの人気ランキングの銀、ヴィクトリヤ・シニツィナとニキータ・カツァラポフも、全く別の時代の別のスタイルですが、ミュージカルからのダンスを持って来ました。白黒映画≪雨に唄えば≫は20世紀半ばに上演され、このジャンルの古典だと長い間考えられていて、そのメロディーは、様々なスケーターたちが何度も使っていました。しかし、フランク・シナトラの誰もが知っている歌を使った、アレクサンドラ・ボイコワとドミトリー・コズロフスキーのショートプログラム(私たちのランキング6位)の場合のように、全てが趣味良く作られ、それが演技者に良く合っている場合、古い曲は新しい曲を難なく打ち負かします。

カツァラポフとシニツィナの場合、本当に理想的に命中し、彼らのショートダンスから目を離すことができませんでした。初めは、だぶだぶのグレーのジャケットが少し煩わしく、パートナーに合った最高のイメージではありませんでしたが、ヨーロッパ選手権に向けて、大事なスケートから注意がそれないように、シンプルな黒いシャツに変えました。その結果、ロシアのカップルは、ヨーロッパ選手権で最も大きなセンセーションを巻き起こしました。ほぼ2年間負け知らずで、2015年からヨーロッパ選手権のタイトルを持っている、フランスのガブリエラ・パパダキスとギヨーム・シゼロンを追い越したのです。

では、終わりに大きなサプライズをどうぞ。


1位。ナイトクラブのちびっこ

宇野昌磨(日本)。ショートプログラム

曲:アーミン・ヴァン・ブーレン - ≪Great Spirit≫

振付:シェイ=リーン・ボーン

すぐに私に向けて両手を振り回し、こめかみを指でひねらないでください。はい、私は宇野昌磨がシーズンの初めに惨敗したことを知っています。トゥトベリーゼのもとで、モスクワでのお見合いに失敗したあと、コーチなしだった彼は、グルノーブルでのグランプリ大会の時、8位に留まり、両手で顔を覆い痛々しく泣いていました。しかし、それから人生は再び上手く行き始めました。スイスの指導者、ステファン・ランビエールに合流し、≪強大なちびっこ≫はだんだんと自分を取り戻し、クリスマス前の全日本選手権で、他ならぬ羽生を負かしました。宇野が、中止になった2020年のモントリオール世界選手権で見せたであろうことを誰が知っているんでしょうか。コロナウイルスの前に開催できていたとしたら…。

曲?誓って言いますが、私自身、ナイトクラブのレパートリーからの≪とどろき≫は無理です。そして、最近まで、オランダのDJ、アーミン・ヴァン・ブーレンの存在について少しも知りませんでした。これは≪悪趣味≫、そう、1位は変えた方が良い、全て知っています、全てわかっていますが…。いくら頑張ってもどうしようもありません。私がこのショートの動画を何回再生しているのか誰にもわからないというくらい、私にとっては価値があるんです。脈がすぐにその場でぴょんぴょん飛び跳ね(私は測ったんです!)、手は無意識に拍子に合わせて拍手を始めています。信じられない方は、≪気をつけ≫の姿勢で3分間座ってみてください。ひきつってのたうち回り、困り果てますよ。(この方なかなか重症のようですね…🤭)

そして、このプログラムは≪安っぽいダンストリック≫みたいなものでは全くありません。ヴァン・ブーレンの嵐のようなテンポに(ダンスフロアではなく氷上で)耐え抜くために、≪中途半端≫に滑らない、エクストラクラスのスケーターである必要があります。こういう音楽が合う人はわずかです。そして、他人がどうでも、有名なカナダの振付師、シェイ=リーン・ボーンはこのことを熟知しています。

だからこそ、宇野と彼女は今チャンピオンなんです。控えめな国内バージョンではあっても。


ちょっと表現が難しい文章だったので日本語が怪しいのですが…😓

≪強大なちびっこ≫は、どんな訳がいいのやら…?

ちなみに原文の"могучий малыш(マグーチー・マリーシュ)"は、「マイティー・リトル・ビームのぼうけん」のロシア語のタイトルになっているようです。

マイティー・リトル・ビームのぼうけん

普通に"赤ちゃん"!🤭

見たことないけど見てみようかな。

ちなみにмалыш(マリーシュ)はタラソワさんが名付けたマリシャーチナの元になっている単語です。