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率直なコリャダ、オリンピック前のショック、中傷、世界の救いについて

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2022年3月15日

率直なコリャダ、オリンピック前のショック、中傷、世界の救いについて

ボリス・ホドロフスキー

 

平昌の団体戦銀メダリストで2018年世界選手権の銅メダリストであるミハイル・コリャダは、コロナウイルス陽性反応のため北京オリンピックを欠場しました。彼がこの期間をどう過ごしたか、今後の計画、サランスクでの試合について、リア・ノーヴァスチ・スポーツのインタビューで。

 

- チャンネル1カップで楽しみなのは何ですか?

- いつものスケジュールで準備しています。ジャンプして、プログラムを磨き、振り付けの練習をしています。サランスクではショートプログラムで"くるみ割り人形"を、フリーで"ホワイト・クロウ"を滑ります。ジャンプ大会に関してはアレクセイ・ニコラエヴィチ・ミーシンからの指示を待ちます。

- あなたはミーシンと既に2年練習されています。協力を続ける話はされましたか?

- しました。それで、アレクセイ・ニコラエヴィチは喜んでいたと思います。彼は僕と練習するのが楽しいと言いました。僕は引退したくありません。滑るのがとても好きなんです。

- 27歳で新たなレベルに上げ、さらに次のオリンピックまで4年間続けることは難しいと多くの人が考えています。

- でも、僕は自分の限界に達していないと感じています。それに、フィギュアスケートが近いうちにどういう発展をするのか予測することは不可能です。様々なヴァリエーションについての話があります。技術要素と芸術要素の分離が起こることを誰も否定していません。体操でも種目別がありますから。それぞれのアスリートが専門としている個々の器具があります。フィギュアスケートもそういう道を進むかもしれません。世界とロシアでフィギュアスケートがどのように発展するのかということが、コーチと僕の出発点になるでしょう。

- もしあなたがフィギュアスケートの発展に責任のあるISUの会長か副会長だったら、どんな改正を提案されますか?

- そんなに高い地位の職に自分がいるのは想像できません。そうなるには相応しい教育、仕事の経験、長年かけて獲得する権威が必要ですから。理由もなく僕をISUの組織の指導部に起用する人はいませんよ。だから"ISUの会長が僕だったら"という空想には意味がありません。

- 4年前、ネイサン・チェンは平昌で誰の言うことも聞かなくなり、ショートプログラムで内容を最大限難しくしました。そして表彰台圏外になりました。今、彼はより経験豊かに、より賢明になり、待望のオリンピック金メダルを獲得しました。今の経験を持った立場で考えた場合、2018年のオリンピックの準備や演技に関して、あなたは何かを変えたでしょうか?

- もちろんです。今の脳で考えたとしたら、当時のコリャダの多くのことを変えたことでしょう。しかし、歴史には仮定法がありません。

- オリンピックは、世界選手権と比較することはできない本当に特別な大会ですか?

- 僕にとって平昌は今のところ唯一の経験ですし、当時はとても大きな違いを本当に感じました。人類の運命が自分にかかっているような感じでした。そして僕はそんな責任の重さに応えることができませんでした…。今は既に違う風に考えています。

- 国旗と国歌がないことや、"ロシアからのオリンピック選手(OAR)"というステータスが気になりましたか?

- 僕には全く影響はありませんでした。もちろん自国の国旗の下で演技することは名誉なことですが、ロシアの選手たちみんなが試合に出るチャンスを奪われる方がずっと悪い事態です。これは間違っています。

- 弱点のないカナダチームに勝つのは難しかったのに、あなたは2018年のオリンピックの団体戦で負けた原因になった唯一の選手だとされました。どうやってこの体験を乗り越え、いつこの心労から解放されましたか?

- 部分的には乗り越えましたが、まだ責任の重さを感じています。

- あなたのコーチ変更はロシアスケート連盟が率先して行ったと考えている人もいれば、教授が100パーセントオリンピックチームに入る候補者を必要としていたと指摘する人もいます。ヴァレンティーナ・チェボタリョーワからアレクセイ・ミーシンへの移籍に関する質問を最終的に終わらせることはできますか?

- あれは僕が決めました。とても長い間考えていました。そう決めて、ミーシンの電話番号を聞きました。僕が電話をした後、アレクセイ・ニコラエヴィチはしばらくよく考えていました。3日後には、移籍の手続きのためにロシアスケート連盟の指導者たちに電話で連絡をしました。

- 心の中にためらいはありましたか?

- 全てに恩のあるヴァレンティーナ・ミハイロヴナに知らせるのは難しかったです。チェボタリョーワは僕を子供のグループから世界選手権のメダルを取るまでに導いてくれました。彼女は僕を形作るために多くの時間と力と心を注いでくれました!自分がわがままを言うスケーターのコリャダにそれ程のものを注げたかわかりません。ヴァレンティーナ・ミハイロヴナに、彼女が僕にしてくれたこと全てに感謝しています。良い技術的基礎を身に付けてミーシンの所へ行ったので、アレクセイ・ニコラエヴィチはいつも僕の最初のコーチの貢献を褒め、それを高く評価しています。

- トレーニングプロセスの変更は円滑にできましたか?

- 最初はただ練習の場所が変わっただけのように思えました。それから全てが変わったことがはっきりしました。一日のスケジュールからトレーニングメソッドまで。フィジカルトレーニングから振り付けの練習まで。改変は十分大変でしたが詳細は公表して議論する程のことではありません。ミーシンとの練習を始めてから約半年後には、練習で困難なことは何もなくなりました。

- あなたと同じリンクでトレーニングしているエフゲニー・セメネンコが、代表チーム入りを争う現実的なライバルだと感じられたのはいつですか?

- 最初の日からです。

- オリンピックシーズン中、あなたは、北京で金メダルを獲得したチェンのように、両プログラムを変更されました。コロナウイルスのせいで十分に演技を披露できなかった昨シーズン、あなたには素晴らしいフリー、"ホワイト・クロウ"がありました。なぜ新しいものを作る必要があったのですか?

- オリンピックシーズンに"シンドラーのリスト"を振り付けるというアイデアを誰が出したのか覚えてさえいません。ミーシンだったか、ニキータ・ミハイロフだったか。去年の春、僕はまだ"ホワイト・クロウ"は継続しないのだと強く感じていました。そして、ショートは変えるのではないかと思っていました。何かを変えたかっただけかもしれません。

- 多くの人があなたの"シンドラーのリスト"を気に入っていました。昨シーズンからこの曲を継続していたジェイソン・ブラウンと比較されたくなかったのですか?

- エスポーで行われた大会で、僕たちは続けて滑りました。そしてみんながこう質問しました。どちらの"シンドラーのリスト"が良くて僕がどう感じているのか。どうかって?普通ですよ!ある時、アレクセイ・ニコラエヴィチが簡単にこう言いました。これで終わり、"クロウ"に戻そう。

- SNSでは、いつも全てについて何でも知っているファンたちが、ヨーロッパ選手権を欠場したのは戦術上の動きだったという説を提唱していました。タリンに行くことを妨害したケガはそんなに深刻だったのですか?

- とても残念なことですが、僕たちのスポーツはケガなしではできません。タリンで出場する代わりに、理学療法士の所へ治療に行かなければなりませんでした。オリンピックに出場することを考慮すると危険を冒す意味はありませんでした。

- COVID-19の陽性反応を知った時、最初にどんな反応をされましたか?

- ショックでした。文字通り、クラスノヤルスクの合宿へ向かう前日に検査を受けました。だって、気分は普通だったんですよ!次の検査は陰性になることを期待していました。最初の検査は予防のためで、合宿へ安心して向かうために受けただけでしたから。北京へ出発するまで陰性反応になるのを待ちましたがそのままでした。

- 北京の中継はご覧になりましたか?

- フィギュアスケートは部分的に見ました。自分の気持ちで手いっぱいで、わざわざ心の傷を刺激したくはありませんでした。注目していなかった始めてのオリンピックでした。周りの人たちはみんな見ていてあれこれ話していましたが、それは僕の側をそのまま通り過ぎました。ただ自分の殻に閉じこもっていたい時はあります。

- 最近、サンクトペテルブルクにハンガリーの振付師、アダム・ソリャがやって来て、セメネンコとエリザベータ・トゥクタミシェワの新プログラムを振り付けました。彼はあなたの"ホワイト・クロウ"をとても高く評価していました。彼の仕事はちらっとご覧になりましたか?

- トレーニングではいつも誰の姿も追っていません。完全に自分の考えに没頭し、自分の練習に集中しています。振り付けている所を見るよりも、既に準備できたプログラムを見る方が面白いです。僕はステファン・ランビエールやイリヤ・アベルブフを含む多くの振付師と仕事をする機会がありました。それぞれに僕の様々なイメージに対する自分のアプローチや自分のビジョンがあります。

- ずっと先の将来やるとしたら、振付師と"技術屋"、どちらが自分に向いていると思われますか?

- ずっと先の将来のことは今のところ全然ちゃんと考えていません。今やっているスケーターとして働きたいです。振り付けの仕事にもテクニックを教えるチャンスにも興味があります。どうなるか今のところわかりません。

- SNSでご自分のファングループや自分に悪意のある人たちのことを追っていますか?

- 今は全くSNSを見ていません。時々ポジティブの海の中に、大きな心労を与えるかもしれない小さなネガティブを見つけることがあります。無駄に力を使うより、そういうことからは距離を置いたほうが良いです。特に今は世界でとても恐ろしいことが起こっています。

- フィギュアスケートは世界を救えるでしょうか?

- フィギュアスケートは美しさをプレゼントする芸術です。フィギュアスケート、バレエ、展覧会、絵画を見に来る人たちは、あちこちから流れてくるネガティブなことから離れることができます。彼らは美しさを楽しんでいます。美しさはご存知の通り世界を救います。