ただのフィギュアスケートファンのロシア語翻訳

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ミーシン先生の本より、ヤグのバナナとタラソワさんのこと

タラソワさんがミーシン先生のことを言っているのは解説の時に良く聞くんですが、逆はめずらしいような?あと…バナナです🍌

「Победные Поражения...:勝利の敗北」の最後の方に書いてある内容です。


 フリープログラムのヤグディンの演技は技術的にも芸術的にも良いものでした。彼の最初のコーチ、アレクサンドル・マヨロフが、子供の頃、リョーシャは振り付けをするのが好きではなかったということを私に言ったのは興味深いことです。指、つま先、彼はすべて気に入らず、あまりうまくいきませんでした。そして≪落ち着き≫がなく、彼はトレーニングをまったく台無しにしていました。私たちが一緒に練習をしていた期間、彼は次第に振り付けやプログラムの演出に、より注意深い態度をとるようになりました。しかしそれでも、彼の主な切り札は、その時、技術的な素養と精神力でした。サンクトペテルブルクで行われたグランプリシリーズ大会の一つで、彼はウルマノフとプルシェンコの後に出てこう言いました。≪さあ、おしまいだ。今からみんなを倒す…。≫

 私から離れる前に、すでに本格的な芸術的才能が彼に芽生え始めました。エフゲニー・セレジュニコフは彼にかなり奇妙なエキシビションナンバーを作りました。バナナを持ったアボリジニのダンスです。まさにこのイメージの中に、私は初めて彼に大きな芸術的素質を見つけました。(…そうだったんですか?💦)しかし、ここでタチアナ・タラソワを正当に評価しなければなりません。リョーシャをアスリートに変身させた功績は彼女のものです。彼の芸術性は技術的能力と同等でした。今まで、ヤグディンはショーと同様に、シングルの出場でもそれを見せています。技術的要素は私のもとを去った時のレベルを保っていました。その間に、プルシェンコは4回転サルコウを身に付け、4回転ルッツを安定して跳べるようになるまでもう少しのところでした。

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 私とターニャ(タラソワさん)との関係は全人生を通して変わりました。選手時代の若々しい友情から始まり、私たちがコーチになった時にはポジティブな敬意に満ちた関係になりました。プルシェンコとヤグディンの戦いの時に明らかに敵対するまでは。今日、私たちの関係は穏やかで賢明なものになりました。近い将来、私たちの関係がどうなるのかを予測するのは、彼女の独創的な性格のため困難です。彼女については多くのことが話され、書かれ、そしてさらにこの先も書かれます。タチアナ・タラソワより人気がある人物は現代のフィギュアスケート界にはおそらくいないということがすべてを語っています。この人気は、きわめて歓喜に満ちた意見と、同じくらいネガティブな意見に反映されています。

 私の見解では、彼女の個性は、表彰台に導かれたチャンピオンの記録的な数ではなく、どんな形であっても輝いている能力を特徴としています。まず第一に、彼女の評価で決して耳にすることがない、学ぶ能力について言及したいと思います。普通のシングルスケーターだった彼女は国際レベルのペアスケーターになりました。アイスダンスを一度もやらずに、世界最強のアイスダンスコーチの一人になりました。シングル選手と仕事をした経験を持たずに、イリヤ・クーリックとアレクセイ・ヤグディンをオリンピックの金メダリストまで導きました。かつてはジョークで≪文化と休息がない大学≫と呼ばれていた国立体育大学の廊下を駆け抜け、スピーチのスキルを習得し、テレビ司会者、コメンテーターになり、権威あるTEFIを受賞しました。(TEFIはロシアのテレビ業界で与えられる賞で、下の写真はそれを受賞したときの写真です。)タチアナの全歴史は、常に学び、良くなっている人の例です。

TEFI


つづき→ミーシン先生の本からちょっとだけ

 

バナナ…ひさしぶりに見ちゃったんですけど実は無駄に上手いですね(笑)

グレスピを初めて見た時ちょっとこれを思い出したのは…秘密です😜