ただのフィギュアスケートファンのロシア語翻訳

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ミーシン先生の本より、トリノ - 計画された勝利4

のつづきです。


 いつだったか、ショートプログラム≪レズギンカ≫をジェーニャが演じた後、ISU会長のオッタビオ・チンクアンタはステップ構成を絶賛しました。このステップは、一方のショートサイドから反対側まで演じ、このダンスのがくがくしたつま先の特徴的な動きを反映するかのような、トウに乗った独創的なポーズでの面白い移動を含んでいます。まさにこの作品が、ルール上に発生したステップシークエンスと呼ばれる要素に衝撃を与えました。

 残念ながら、現代のルールはステップシークエンスにおける選手の可能性を減らしました。現在、技術の専門家たちはステップの難しさを指で評価しています!1人が指を折りターンを数え、2人目が同じようにステップを計算し、3人目が、今はこれはボディワークと呼ばれていますが、スケーターが何回傾き、方向転換したかの記録を恐ろしく念入りに取ります。トービル - ディーン、モイセーワ - ミネンコフ、ブラウニング、クランストン、そしてボブリンといったフィギュアスケートの天才たちの優れたステップコンビネーションは、冗談で言いますが、今はレベルを上げる特徴をもらえない、もっと正確に言うと、≪ひとつも≫もらえないことでしょう!

 全ての時代と人々にスピンの天才として認められ、今も認められているのはステファン・ランビエールです。何もかも強引に一つの型に押し込めてしまう新システムにまだ縛られていなかった頃に彼がスピンをしていた時、彼のピルエットは観客の想像力に衝撃を与えていました。そしてその後、彼は誰もがするようにスピンしなければならなくなり、彼のユニークさと天才性は明らかに輝きを失いました。


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新システムのこういう所は本当に残念ですよね。